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太平洋横断往復航海の準備と実際 (その4)

2016-10-13
2016年10月13日(木) 23時 記

太平洋横断往復航海の準備と実際 (その4)

  目 次

  1.ヨットの紹介 (2016年10月 5日のブログ参照)
  2.船体の準備 (2016年10月10日のブログ参照)
  3.電源設備  (2016年10月11日のブログ参照)
  4.航海計器  (          〃          )
  5.無線設備  (          〃          )


= 本日紹介分の目次 =

  6.法定備品
  7.その他の準備
  8.装備の二重化

 ============

 9.復原性の悪化
 10.荒天時の対策
 11.免許、資格等の準備
 12.チャート
 13.気象情報の入手
 14.船内の生活
 15.食糧、清水、燃料、医薬品
 16.出航日、帰国予定時期の決定
 17.航海コース
 18.航海中のサポート等
 19.出港手続き、入港手続き
 20.サンフランシスコ、ハワイでのサポート
 21.航海中のトラブル
 22.航海の総括
 23.航海中の写真集


6. 法定備品
1) ライフラフト : RFD ジャパン製 TRY - 6N (6人用、収納袋入り)
IMG_8810.jpg

アールエフディー製(近海収納袋仕様)寸法図

12. IMG_3106

11. IMG_3105

藤倉ゴム工業製の FRC -5 ( 5 人用、コンテナ入) りの方が安価だったが、コンテナ入りはデッキ上に置き場所が無かった。
RFD ジャパン製の収納袋入りでもかなり大きくて重いので、よく置き場所が確保出来たと思う。

コクピット後部のウエットロッカー内に置くことが出来たが、重量が 40 kg 以上あるので、非常時に揺れる船上で、一人でライフラインの外へ落とすことなど出来ないと思う。ライフラフトを積み込む時はクレーンを使ったほどで、非常時は火事場の馬鹿力を期待するしかない。

JCI の予備検査に合格している小型船舶用は、国産しか無く、藤倉ゴム工業製の FRC - 5 と RFD ジャパン製の TRY - 6N しかない。
昔は 4 人用があったようだが、需要が少なかったからか製造中止になった模様。
外国製の 4 人用を使えれば、状況は大きく改善されると思うのだが。

2) 双方向無線電話装置 : 古野電気製 HT649
18. IMG_1975

双方向無線電話装置と言うのは、15、16、17 ch の 3 チャンネルだけ使用するポータブル VHF 無線機のこと。
かなり厳しい製造仕様になっているからか異常なほど高価だった。

3)EPIRB : 大洋無線製 TEB - 720
前項写真参照。

4)パーソナルEPIRB : GME - 410
法定備品では無いが、米国から直接購入して、米国の NOAA へ登録した。
コンパクトなので、非常持ち出し袋に入れておいた。
法定備品の大きなEPIRBを持ち出すことが出来なくても、これがあれば遭難情報は NOAA へ送られる。


7. その他の準備
1) 2014 年に、ヨットが建造後 16 年経っていたので次の整備を行った。
(1) リギンを1ランクサイズアップして新替え
フォアステー、バックステー、アッパーシュラウド : 6 mm --> 7 mm
ミドルシュラウド                     : 4 mm --> 5 mm
ロワーシュラド                      : 6 mm のまま
かなり高い位置で重量が増加するので、復原性への影響が気になったが実施した。

(2) メインハリヤード新替え
(3) ライフライン新替え

(4) 舵抜き出し点検、整備
IMG_8753.jpg

IMG_8754.jpg

(5) エンジン (Yanmar 2GM - 20) 陸揚げ、開放点検、整備
IMG_1689_201610131850117e0.jpg

IMG_1692_20161013185011f1e.jpg

IMG_1693_2016101318501167a.jpg

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IMG_1714.jpg

IMG_1713_20161013185010d99.jpg

(6) 軸系抜き出し点検、整備、シャフトシール新替え、カットレスベアリング新替え

(7) 船底塗料の色を白に変更
クジラに衝突されるのを防ぐために白にした。
クジラは視力が弱いが、明るいものは認識できるという話を聞いたので白が良いと思った。

しかし、サンフランシスコへ向かう途中シャチに体当たりされた。
シャチはクジラを襲って食べてしまうほどどう猛らしい。

その時のシャチは、自艇の白い船底をクジラの白い腹と間違えて体当たりしてきたのかも知れない。
帰国後青に戻した。

2) ポータブル電動ビルジポンプ : Rule 製 Rule 1500 + プラスチックホース 6 m
Edson の手動ビルジポンプも考えたが、高価なので止めた。

3)雷対策
避雷針を立てて、落雷した時に対応するのではなく、自船付近の空中帯電を海中へ逃がす方法を取った。

無線のプロから教えてもらった方法で、船の周りに空中帯電する静電気を、デッキ上の金属に導いて海へ逃がす方法。
これにより、落雷の可能性が大幅に低くなると信じた。

2016 年 10月 11日 (火) のブログ、5. 無線設備、1) アマチュア無線、(3) アースの項の 「アース結線図」 参照。
船上の全ての金属はデッキ裏で電線でつないでおいたので、それをウインドベーンのウオーターベーンに接続して、空中帯電を海へ逃がす道を作った。ウインドベーンを使わない時は、別のアース棒を海中に下ろしておいた。
しかし、幸いなことに雷に遭わなかったので、効果のほどは定かでない。

4) 動揺時のキャビン内ハンドグリップ
ステンレスパイプ製の縦型ハンドグリップを左右舷に 1 本づつ、天井下の左右舷に前後方向のロープ式ハンドグリップを取付けた。

30. IMG_3104

31. IMG_3103

もともと天井の両舷には木製のハンドグリップがあったが、手を入れる隙間が狭いので、とっさの時につかみ損ねることが危惧されていた。
非常に有効で、これ無しには航海中の揺れるキャビン内での移動は困難だった。

5) 横倒しになった時の船内収納品散乱防止用ネット
キャビン内の各所に取付けるため、採寸して注文した。

6) 海水ポンプ取付け
海水が欲しい時に、バケツを海に投げ込んで汲むのはおっくうで、場合によっては危険なので、海水ポンプを取付けて、ギャレーシンクとコクピットの 2 ヶ所で海水を取れるようにした。

7) 冷蔵庫 : 澤藤電機製 ENGEL MT35F
容量 25 リッターで小さ過ぎた。あと一回り大きいものが欲しかったが、置き場所と消費電力を考えるとこれが精一杯だった。
食料品で、冷やさないと腐る物は積まなかった。冷やさなくても問題無くて、冷やした方がより美味しいというものを冷蔵庫に入れていた。
具体的には、飲料水、野菜ジュース、チョコレート、フルーツの缶詰等。

8 )電子レンジ : Wavebox WBP - TP660 (12 V で駆動)
4. 165

荒天時でも火を使うこと無く、レトルト食品を温めることが出来たので、非常に重宝した。
しかし、次のような設置上、使用上の注意点があった。

この電子レンジは、感覚的に家庭用 100 V の 300 ~ 400 W 程度の電子レンジと思う。
加熱時間は、食品に表示されている時間の1. 5 倍ほど必要。

ターンテーブルが無く、食品が均等に温まらないので、食品を加熱時間の半分の時間で左右反転させる必要あり。その時、加熱装置がクールダウンされるまで (冷却ファンが自動的に止まるまで) 待った方が良いと思う。
日本周航時に、連続して加熱させていたところ、電気部品が加熱されて発火して燃えてしまった。

庫内の底面積が小さく、ごく普通の丸皿は入らないので、長円形の皿を使った。

消費電力は、加熱時間がせいぜい 3 ~ 4 分なのでたいしたことはなかった。
電子レンジ使用時にエンジンを回す必要は全くなかった。

電線は、バッテリーから直に取る必要あり。
取り付け位置はバッテリーのすぐ近くが理想。
今回は、電線長が 4. 5 m ほどあったので、本体付属の電線と同じ太さでは細すぎたようで、使用中にかなり熱くなり、レンジとしての性能も出てないようだったので、断面積が 2 倍くらいある電線を使った。

9)三連装カセットガス供給器
3. DSC_1076

プロパンガスは、船検時の検査がうるさくなってきていたので止めて、三連装のカセットガスを使ったが、手軽で機能的にも十分だった。

10)プリンター : Canon PIXUS iP100
小型、軽量の A4 サイズまで印刷可能なプリンターを積んだ。
天気図、ハリケーン予想進路などをプリントアウトして検討するのに有効だった。

11) キャビン内湿気対策。
太平洋を横断した全ての人が、航海中濃霧に遭うと霧がキャビン内に入って来て、全ての物が結露でびしょびしょになったと言っていた。
航海計器等電気品、衣類、寝具、セッティーマットレス、書籍等、濡れては困る物は全て、大型の透明ビニールシートで覆ったり、ビニール袋に入れて保管した。

しかし、幸運なことにひどい濃霧に遭うことは無く、キャビン内が結露したことは一度もなかった。

12) 水中望遠鏡
日本周航時から持っていたが、プロペラにゴミが絡まったかな? と思った時に気軽に見ることが出来るので重宝した。

13) シェイクダウン航海
2014年の 4 月下旬から、自分自身の長距離航海のトレーニングと、新たに取り付けた装備品のシェイクダウンとヨット全体の不具合点を洗い出すために、清水から小笠原、南大東島、沖縄、函館を回って清水に戻るまでの 5 ヶ月間航海した。

2014年航跡図-日本全図

この航海の結果を基に、追加の改造、整備などを行い、翌年の出航に備えた。
この時の最も大きい改造は、ジャイブプリベンター取付け、キャビン内ロープ式ハンドグリップ取付け、ソーラーパネル 2 枚追加設置、AIS 装備、Iridium GO 装備、電子レンジ給電線サイズアップ、スプレッダーライトの ON/OFF スイッチ追加設置などで、太平洋横断航海中に重要な役割を果たしてくれた。


8. 装備の二重化
マストに登るためのステップは取付けなかった。
マストトップの装備品が壊れた時はあきらめることにした。
ジブハリヤードとメインハリヤードは 2 本づつあるので、ハリヤードのトラブルはこれで対処できると思った。

セールはかつて使っていたメインセールとジブセールを予備セールとして積んだ。

舵は、舵軸の太さと構造からして、相当ごつい漂流物と衝突しない限り脱落する可能性は低いと考えた。

航海、無線関係では、インバーターを 2 台、パソコンを2台、スマートフォンを 2 台積んだ。
GPS は合計すると 6 台あった。
その他の機器については二重化を考えなかった。

バッテリーは 4 台積んで、サービス用に3台、エンジン始動用に1台に分けていたので安心していたが、航海中の電力消費が大きかったので、バッテリースイッチを 『BOTH』 にして使っていたところ、ある朝 4 台ともへたっていて、エンジンを始動することが出来なくなってしまった。

悪いことに、サービスバッテリー 3 台用のソーラーパネル充電コントローラーもダウンしてしまい、サービスバッテリーへの充電が出来なくなった。
幸い、エンジン始動用バッテリー充電用コントローラーは生きていたので、エンジン始動用バッテリーを切り離して夕方までかけて充電して、エンジンを始動することが出来た。
結果として、充電コントローラーは二重化されていた。

上記想定はかなり安易であったと思うが、運が味方してくれて大きなトラブルは無かった。




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未分類 | コメント:(2) | トラックバック:(0)
コメント:
No title
太平洋横断など自分には本当に夢物語ですが、総括を楽しみに拝読しています。
色々な事とても参考になります。
出来れば神津島辺りまでマイヨットで行けたらなあ~なんて思っています。
Re: No title
Masutopokiさん

コメント有難うございました。
総括は、かなり一人よがりな内容ですので、割引して読んで下さい。
でも、ご参考になりましたら幸いです。

TSUYOTAKA
古賀

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