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太平洋横断往復航海の準備と実際 (その5)

2016-10-25
2016年10月25日(火) 15時 記

太平洋横断往復航海の準備と実際 (その5)

  目 次

  1.ヨットの紹介 (2016年10月 5日のブログ参照)
  2.船体の準備 (2016年10月10日のブログ参照)
  3.電源設備  (2016年10月11日のブログ参照)
  4.航海計器  (          〃          )
  5.無線設備  (          〃          )
  6.法定備品  (          〃          )
  7.その他の準備 (2016年10月13日のブログ参照)
  8.装備の二重化 (         〃           )

= 本日紹介分の目次 =

  9.復原性の悪化
 10.荒天時の対策

============

 11.免許、資格等の準備
 12.チャート
 13.気象情報の入手
 14.船内の生活
 15.食糧、清水、燃料、医薬品
 16.出航日、帰国予定時期の決定
 17.航海コース
 18.航海中のサポート等
 19.出港手続き、入港手続き
 20.サンフランシスコ、ハワイでのサポート
 21.航海中のトラブル
 22.航海の総括
 23.航海中の写真集


9. 復原性の悪下
出航の数日前、全ての積込み品の収納が終わって一段落した時、ヨットの横揺れ具合が今までと異なることに気が付いた。
桟橋からヨットに乗り込む時、トウレールに足を乗せて体重をかけた時、今まではとは違ってヨットがふわっと自分の方に傾いてくるのを感じて驚いた。
ヨットに乗り込んだ時に、従来より傾斜角が大きくなっていて、横揺れ周期が今までよりはるかに長くなっていることを肌で感じた。
その時点で、復原力を定量的に把握する術はなかったが、定性的にはかなり、それも目に見えて復原性が悪くなっていることは明らかだった。
その時、計り知れない恐怖感を覚えた。無理は出来ないと思った。

今年の5月に帰国した後、船底塗装のためにヨットを上架した時、クレーンのオペレーターに重量を聞いたところ 5. 5 トンだった。自艇の設計重量は 2. 85 トンなので、昨年の出航時は、食糧、清水、燃料を満載していたので、排水量は優に 5. 8 トン、設計重量の 2 倍以上になっていたと思われる。
しかも、追加取付けした艤装品や積込み品は全てヨットのオリジナルの重心位置より高い所に取付け、収納されていたので、復原性の低下は目を覆わんばかりだったのであろう。

航海中一度も横転、ノックダウン、ロールオーバーしなかったことは、幸運だったとしか言いようがない。


10. 荒天時の対策
これまで荒天に遭遇したことが一度も無かったので、経験者に聞いたり、本を読んだり、インターネットで調べた。

荒天対策を検討する時に参考にさせて頂いたのは、面識は無いが、愛媛県松山市の池川ヨット工房の池川さんが書かれているホームページの、「海の広場」というコラムだった。
その 2002 年 3月 28日のコラムに、「荒天帆走」 に関する記述があり、参考にさせて頂いた。

荒天対策として、池川さんの教えを参考にして、元々持っていた 16 mm のクレモナ三つ撚りのアンカーロープ 170 m と、16 mm のクレモナエイトの係船ロープを取り混ぜて合計 300 m ほどに、軽自動車のタイヤ 2 本を新たに積んだ。

荒天時の心づもりとしては、2 ポイントリーフのメインセールだけでクオーターリーで走らせることを考えていた。
走らせることが危険になったら、あるいは体力の限界に近づいたら、2 ポイントリーフのメインセールだけで、逆ジブは使わずにヒーブツーすることを考えていた。

ヒーブツーが決まらずに、頻繁にノックダウンを繰り返すようなら、セールを全て下ろして、ロープとタイヤをシーアンカーにして、船首または船尾から流すつもりだったが、大揺れの船上でそのような作業が出来るかどうか、出来たとしてうまく作用するかどうかは全く分からなかった。

昨年の5月に出航するまでに、ロープとタイヤを流してテストをする機会は無く、嵐が来るのが分かっていて、テストのために出港する勇気はなかった。

今回遭遇した最大の荒天は、清水を出て 4 日目に、九州の南から北東へ向かってきた低気圧に捕まった時で、最大風速はガストで 21 m/s、波高は 4 ~ 5 m くらいで、一般的にはそれほど大した状況と言う訳では無いと思われるが、自分にとっては初めてのことでもあり非常に怖かった。

この時は、2 ポイントリーフのメインセールだけで逆ジブは使わずに、バウが風に対して 70 ~ 80°くらいに向くようウインドベーンをセットして、ヒーブツー状態にして凌いだ。

波に翻弄されて激しく揺れたので、船体のあちこちから悲鳴とも取れるような大きなきしみ音が連続して聞こえてきて、船が壊れるのではないかと思った。

結果としては、逆ジブを使わないヒーブツーは良く決まり、波さえ悪くなければ、2 ポイントリーフのメインセールとウインドベーンのヒーブツー状態で、あともう少し風速が上がっても凌げるのではないかとの感触を得た。

この時、ストームジブを加えるとオーバーキャンバスになり、走らせることは不可能だった。また、2 ポイントリーフのメインセールだけでクオーターリーで走らせることも考えなかった。
走らせるより、ヒーブツーがうまく決まればキャビン内に居た方が、安全で楽だった。

その時は 65 歳だったが、多分徹夜など一晩出来れば良い方だったと思う。体力の衰えは目を覆わんばかりだったので、安全で楽な対策を選んだ。

上記、自分が想定していた荒天対策は、せいぜい風速 50 ノットくらいまでで、それ以上の大時化には通用しなかったかも知れない。

また、この時の逆ジブを使わないヒーブツーは、たまたまうまく行ったかも知れず、違うヨットで、気象、海象条件が変われば、全く異なる結果になると思うので注意を要する。

荒天対策については、Jim Howard 氏の 「Handbook of Offshore Cruising」 の Chapter 27 「Heavy Weather at Sea」 に、ヒーブツー、ベアポール、風下航、パラシュート型シーアンカーとドローグなどについて詳しく解説されている。
この本は、昔 「KAZI」 誌に翻訳されて連載されていたと思う。和訳の本が出版されていたが、既に絶版で手に入らなかったので、英文の本を購入した。

外国では、パラシュート型シーアンカーが多数市販されているが、経験不足と勉強不足で、どうしても馴染めなかったので、採用に踏み切れなかった。

また、荒天対策で使うロープの材質は、ナイロンが伸び率が大きくてショックを吸収するので良いとされていた。太さとともに真剣に検討しなければならなかったのだが、出航当時持っていたアンカーロープと係船策で間に合わせた。

今回遭遇した荒天は、前述の清水を出て 4 日目の低気圧の時だけだったので、幸運だったとしか言いようがない。
究極の荒天対策は、気象情報をしっかり取って、荒天に遭遇しないことなのだと思う。





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