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太平洋横断往復航海の準備と実際 (その7)

2016-10-27
2016年10月27日(木) 18時 記

太平洋横断往復航海の準備と実際 (その7)

  目 次

  1.ヨットの紹介 (2016年10月 5日のブログ参照)
  2.船体の準備 (2016年10月10日のブログ参照)
  3.電源設備  (2016年10月11日のブログ参照)
  4.航海計器  (          〃          )
  5.無線設備  (          〃          )
  6.法定備品  (          〃          )
  7.その他の準備 (2016年10月13日のブログ参照)
  8.装備の二重化 (         〃           )
  9.復原性の悪化 (2016年10月25日のブログ参照)
 10.荒天時の対策 (         〃           )
 11.免許、資格等の準備 (2016年10月26日のブログ参照)
 12.チャート         (         〃           )
 13.気象情報の入手   (         〃           )

= 本日紹介分の目次 =

 14.船内の生活
 15.食糧、清水、燃料、医薬品
 16.出航日、帰国予定時期の決定
 17.航海コース

============

 18.航海中のサポート等
 19.出港手続き、入港手続き
 20.サンフランシスコ、ハワイでのサポート
 21.航海中のトラブル
 22.航海の総括
 23.航海中の写真集


14. 船内の生活
1) 一日の日課
気象ファクス受信スケジュールをベースにして一日の日課表を作成した。

<< 日課表の一例 >>

04 : 00    起床
04 : 30    海上悪天24時間予想天気図 (前日21:00 解析分)
05 : 40    地上解析天気図 (03:00 現在)
06 : 00    海上悪天48時間予想天気図 (前日21:00 解析分)
06 : 30    朝食
07 : 00    シーガルネット チェックイン
         気象情報をもとにコースを検討
11 : 40    地上解析天気図 (09:00 現在)
12 : 00    昼食
12 : 20    オケラネット チェックイン
         自由時間、ブログアップ等
14 : 48    海上悪天24時間予想天気図 (09:00 解析分)
17 : 00    業務終了
17 : 20    海上悪天48時間予想天気図 (09:00 解析分)
17 : 40    地上解析天気図 (15:00 現在)
18 : 00    夕食
20 : 30 ~ 23:30 仮眠
23 : 40    地上解析天気図 (21:00 現在)
24 : 30    就寝

朝起きてから結構忙しく、気象ファクスの受信、コースの検討以外に、朝日、夕陽の写真を数十枚撮って、その中から水平線が水平になっている最も良い写真を1枚だけ選んでブログに載せたり、航海日誌を日に 3 回つけたり、メールの送受信をしたりと、やることはたくさんあった。

キャビン内のデスクワークスペース。ここで食事もとった。
7. IMG_3963

航海日誌。朝昼晩 3 回の記録を取って、昼の記録をブログに載せた。
DSC_0094.jpg

日中は結構ボーっと外を見ていたが、天気の良い穏やかな日には外で読書も楽しんだ。
8. IMG_3964

自由時間には本を読もうと思ってたくさん積んだが、結局文庫本 1 冊半しか読めなかった。
キャビン内で本を読み始めると集中してしまい (逆に集中しないと身に入らないのだが)、外の音が全く聞こえなくなり不安になった。天気の良い日に外で読んだが、長い時間読み続けることは出来なかった。

クオーターバース(キャビン内船尾右舷)の睡眠場所。
3. IMG_2912

結構広くて快適な睡眠場所だった。
4. IMG_2913

夕方 5 時になると、「業務終了!」 と宣言して、部屋着に着替えて寛いだ。
オン、オフのメリハリが必要だと思った。

2) シャワー、洗髪
清水を節約していたので、洗髪、シャワーは10日~2 週間に1回くらいのペースだった。
それ以外は、ウエットタオルで体を拭いていた。あまり汗をかかなかったので、ウエットタオルで十分で、それほどシャワーを浴びたいとは思わなかったが、頭は痒くなったので洗髪は若干回数を増やした。
水を使わないで洗髪出来るドライシャンプーは積まなかったが、試してみる価値はあったのではないかと思う。

気温がそれほど高くなかったので、デッキでシャワーを浴びるのは天気の良い日でないと寒かった。
石鹸を塗りたくって海に入り、プロペラの点検をしながら石鹸を落とし、デッキに戻った後清水で塩分を落とす方法が良いと思った。
ただし、ヨットを止めなければならず面倒だったので、プロペラに絡まったゴミを取り除いた時の 1 回しかやらなかった。

清水は、1 回に 2 リッターのペットボトルを 2 ~ 3 本使った。
雨が降った時に、外へ出て雨水をシャワー代わりに浴びることはやらなかった。雨が降ったら寒くて外へ出る気がしなかった。

3) 睡眠時の体制、対策
航海中最も怖かったのは衝突だった。
他船との衝突は、送受信型の AIS を積んでいたので、AIS 搭載義務のある大型船との衝突は 100 % 避けられると思った。 AIS 搭載義務の無い小型漁船が太平洋に繰り出していることは考え難かったので、沿岸域を除いて船舶との衝突は無いと考えた。

したがって、本当に怖かったのは漂流物との衝突で、太平洋には東日本大震災の時の漂流物が、今だに大量に漂流していることを聞いていたので、昼間は見張りをしているという訳ではなかったが、結構ボーっと海を見ていた。その時、流木、浮玉などを結構見たが不気味だった。

夜は、海を見ていても何も見えないので、開き直って寝た。
小刻みな睡眠とワッチを繰り返す方法は取らずに、日課表のとおり大体 3 時間づつ 2 回に分けて寝た。老化現象で頻尿になっていて、6 時間も 7 時間も連続して寝ることが出来なくなっていたので、3 時間前後で自然に目が覚めて好都合だった。

一度だけ、夜寝ている時にすぐ近くから大きな汽笛を鳴らされたので驚いて飛び起きた。慌てて外を見ると、すぐ横を大型船がすれ違って行った。

この時は、AIS の確認が甘かったか、やらなかったか、相手船のスピードが速かったので、接近するまでの時間が短かったか、いずれにしても就寝前の確認不足だった。

航海灯を消していたので、注意喚起で汽笛を鳴らされたのだと思う、さすがに恥ずかしかった。


15. 食糧、清水、燃料、医薬品
1) 食 糧
船内での自炊(煮炊き)はせず、火を使うのはお湯を沸かす時だけにしたので、レトルト食品とインスタント食品をメインに構成した。

レトルトご飯は、12 V で駆動する電子レンジで温めた。その他のレトルト食品、インスタントおかず、缶詰等は必要に応じてお湯で温めた。
野菜は全く積まなかった。冷蔵庫が小さかったので、冷凍食品も積まなかった。

4. 165

この電子レンジは、「カモメ」 の庄司さんも積んだが役に立たなかったとのこと。
10月 13日のブログ (その4) 「その他の準備」 でも説明したとおり、設置位置がバッテリーから離れている場合は、メーカー支給の電線では細過ぎて電圧降下が大きいため、性能が出ないので設置時要注意。

朝 食 : ロングライフパン 2 個と 200 cc パックの野菜ジュース 1 本

1. DSC_1072

昼 食 : カップ麺とレトルトご飯等
夕 食 : カレーライス、丼物、ご飯と副食等

主 食 : 「レトルトご飯」 の白米、炊き込みご飯、ピラフ、チキンライス等。
      乾燥米飯のピラフ、チャーハン等。
      カップ麺のラーメン、うどん、そば、焼きそば等。
副 食  : レトルトのカレーや丼物、レトルトおかず、缶詰など。

2. 1317

嗜好品 : アルコールは好きな方だが、航海中は飲まないことにした。
        ビール党なので、1 本飲めばもう 1 本となることは明らかだったので、往路とハワイ
        まではビールは積まなかった。
       ただ、体温低下時の気付け薬の代わりとして、戴き物を含めてウイスキーとワインを
       各2本積んだ。
間 食 : チョコレート、ビスケット、あめ玉、ガム等、口が寂しくなると良く食べた。

もともと自炊はしなかったので、レトルト食品、インスタント食品、缶詰などに100 %依存した。
最近のレトルト食品は美味しいし、種類も豊富にあるので、飽きることはなく、毎食何を食べるか悩むほどだった。缶詰も昔のイメージは無く、お湯で温めて皿に盛り付ければ、食卓を飾るのにふさわしい内容になった。

朝食のロングライフパンは、賞味期限が工場出荷時には最長 90 日間のものもある。
防腐剤などで賞味期限を延ばしているのではなく、独特の製造方法でロングライフになっている。種類も豊富にあり、毎朝朝食が楽しみになるほど美味しかった。

野菜は全く積まなかったので、ビタミン等の栄養不足を心配したが、カゴメの野菜ジュースのキャッチコピー 「野菜一日これ一本」 を信じて毎日一本飲んだ。信ずる者は救われるの例え通り、救われたのであろう、体の不調は全く無かった。

レトルト食品、インスタント食品ばかりであったが結構充実した食生活だった。

2) 清 水
飲料水 : 温泉天然水 「財宝」 10 リッターの箱入りを 10 箱、合計 100 リッター積んだ。
       毎日飲む水で、箱にコックが付いていたので水を取り易かった。
       500 cc のペットボトルに移して冷蔵庫で冷やしていた。
       箱は一辺 24 cm ほどの立方体で、段積みも可能で無駄なく収納でき、固縛も
       やり易かったので良かった。
       航海中の平均消費量は、1 日当たり 0. 87 リッター。

調理水 : 2 リッターのペットボトル 40 本に水道水を詰めて、合計 80 リッター積んだ。
       カップ麺やコーヒーに使用。
       航海中の平均消費量は、1 日当たり 1. 87 リッター。

雑用水 : 船体の清水タンクに水道水を 120 リッター積んだ。
       洗面、歯磨き、手洗い、シャワー、洗髪等に使用。調理水がかなり余ったので、
       清水タンクへ移して使用した。
       航海中の平均消費量は、1 日当たり 1. 25 リッター。

清水全体の消費量を合計すると、1 日当たり約 4 リッターほど。

3) 燃料
燃料タンクに 110 リッター、ポリタンクに 60 リッター、合計 170 リッター積んだ。
バッテリーの充電に 1 日当たり 1 リッター消費することを考えていたが、実際には充電だけの目的でエンジンを回したことは少なかった。

サンフランシスコまでの行程の 2/3 ほど進むまでは、その先で何があるか分からなかったので、エンジンは極力使わないようにした。24 時間エンジンを回したら燃料を 20 リッター以上消費すると思ったら、エンジンは使えなかった。

風速 4 m/s 以下になるとウインドベーンが使えなくなり、オートパイロットを使わざるを得なくなったので、その時は充電を兼ねてエンジンを 1, 800 回転くらいで回した。しかし、その状態が何時間も続くことは無かったので助かった。

サンフランシスコ到着前 1 週間ほどになったら、風が落ちた時は早く到着したいと気がはやり、結構エンジンを使った。
ハワイ到着前の 2 ~ 3 日間も、ハリケーンに追いつかれないようエンジンを使ったが、先が見えていたので、燃料消費を考えずに思いっきり回した。
清水到着前の 2 ~ 3 日間も、低気圧の接近が予想されたので、やはり燃料消費を考えずにエンジンを回し続けた。

しかし、夜間は漂流物が見えないので極力エンジンは使わないようにした。

4) 医薬品
医療に関する知識がゼロだったので、市販の医薬品(消毒液、キズドライ、ガーゼ、包帯、バンドエイド、湿布薬、胃腸薬、正露丸、風邪薬など)を積んだだけだった。
知り合いの医者が、抗生物質を出そうかと言ってくれたが、種類が多そうで知識の全くない者が服用するのはちょっと怖かったので積まなかった。

幸い、大きな怪我をせず、病気にも全くかからなかったので、これも本当に幸運だったと思っている。


16. 出航日、帰国予定時期の決定
1) 出航日
(1) 清水出航日
2015年 5月 21日に出航した。
当初 5月 15日に出航する予定だった。太平洋を渡るのは、太平洋高気圧がしっかり張り出す 6 月中旬に出航して、太平洋高気圧の北の縁に吹く西風を受けて追手で走るのが良いと聞いていた。
一方、サンフランシスコに到着した後、ハワイへ向かうのであまり遅くならない方が良いと思い、5 月中旬に出れば良いだろうくらいに考えて、お日柄も考慮して 5月 15日を出航日に決めた。

実際には、5 月としては異例の台風6号、7号が本州に接近したので、台風 7 号が通り過ぎるのを待って、5月 21日に出航した。
その後、停滞前線が形成され、その上を低気圧が次から次へとやってきて、出航後 4 日目には北東へ進む大きな低気圧の前を横切ろうとして失敗、その低気圧に捕まって、生まれて初めての大時化に遭遇した。

荒れる日本近海を抜け出すことが大仕事になるので、慎重に天候を見極めて出航日を決める必要があるとしか言いようが無いような気がする。

日本近海を抜けてしまえば、太平洋高気圧がどうであろうと、急ぐ旅ではないと腹をくくって、気圧配置を見ながら対症療法的にコースを決めれば良いのではないだろうか。

(2) サンフランシスコ出航日
2015年 8月 14日にハワイへ向けて出航した。
これも特に何も考えていなかったのだが、サンフランシスコをゆっくり観光したかったことと、マリーナの係留契約が 1 ヶ月間だったので、1 ヶ月後に出航した。

しかし出航間際に、友人のカナダ人のヨット乗りから、既にハリケーンシーズンに入っているのでハワイへ向かうのは遅すぎると言われた。
実際、出航前からハワイ付近でハリケーンが 1 つ発生していて、出航後に 3 つ発生した。その内の 2 つに、ハワイ到着前に挟み撃ちにされた。

北米太平洋岸のハリケーンシーズンは 6 月から 11 月で、その中でも、8 月から 10 月の発生が多いと言われているので、注意を要する。

2) 帰国予定時期
ハワイに到着した後、すぐに日本へ向かうと日本は台風シーズンになっているので、ハワイで冬を過ごして、日本の気候が最も安定している 5 月に帰国したいと思った。
逆算して、翌年の 4 月初旬にハワイを出ることにした。

本音を言うと、あこがれのハワイに長期間滞在したいという希望があった。
ハワイに 7 ヶ月間滞在した後、2016年 4月 3日にハワイを出て日本へ向かった。

日本近海に近づくと、相変わらず本州南岸をひっきりなしに低気圧が通過していて怖かった。
清水港に 5月 10日に到着することが見えてきた時、東進する低気圧と鉢合わせすることが予想された。スピードを落としてその低気圧をやり過ごすことも考えたが、その後ろにも次の低気圧が控えていたので、そのまま突っ込んだ。
幸い勢力は弱く、小雨が降った程度だったので助かった。

『日本近海はいつも怖い』 の一言に尽きると思う。


17. 航海コース
1) 清水 ~ サンフランシスコ

118. 清水-SF

北太平洋のアリューシャン列島の近くを通る大圏コースは取らずに、北緯 35 度から 40 度の間を東へ向かい、米国に近づいたら北米西海岸を北から南へ流れる海流を考慮して少し北へ上って、サンフランシスコへはやや北からアプローチしようと考えた。

大圏コースは、距離は短くなるが、気温が低く、「低気圧の墓場」 と呼ばれていて常に海が荒れていると聞いていたのでやめた。

出航後、日本近海を抜けるまでは、本州南岸沿いに次から次とやって来ては北東へ向かう低気圧の進路をほぼ直角に横切りたかったので、コースを南東へ向けた。
結果は、黒潮に阻まれてスピードが出ず、もたもたしていて大きな低気圧に捕まってしまった。

日本近海を抜ける時は、低気圧の進路と黒潮の流路の両方を考慮してコースを決める必要があるが、房総半島南端の野島崎の東方海域は通らない方が良いと思う。

この海域は、かつて大型外航船が何隻も沈んだことで知られる荒れる海域で、自分も日本周航中の 2014年に、三宅島から函館へ向かう途中この海域を通過した時、風はそれほど強くないのに、悪い波に翻弄されたことがある。
この海域で低気圧に捕まったら大変なことになるのではないかと思う。

低気圧のことを考えなくて良いのなら、黒潮に乗って銚子の東方海域まで行き、そのまま流されて東へ向かうコースが最も良いような気がする。

日本近海を抜けた後は、太平洋高気圧の北の縁を西寄りの風を受けながら追手で走るはずだったが、昨年は太平洋高気圧がしっかり発達してくれなかった。
代わりに、本州南岸を通過した低気圧が次から次へと追いかけてきて、日付変更線を越えても気が抜けなかった。低気圧が来ると南へ逃げて、低気圧が去るとまた北へ上る繰り返しだったが、風は南西だったので東へ向かうには好都合だった。

ほとんどの低気圧はかなり長い寒冷前線を引っ張っていたので、寒冷前線が頻繁に真上を通過することは避けられなかった。
しかし、低気圧の中心から離れていたので、日本近海では恐れられていた寒冷前線も、太平洋では概ね大したことは無かった。雨がしとしと降って、風向が穏やかに南西から北西に変わるだけのことが多かった。

したがって、低気圧にも慣れてくると、南西の強い風を求めて温暖前線と寒冷前線の間へ向かって行ったこともあった。

全般的に、天候はそれほど悪くなく、心配した濃霧にもそれほど遭わなかった。
気温はそれほど寒くなく、暖房を入れたのは2 ~ 3日だけだった。北緯35度より南は温かい楽園ではないかと思えたので、コースを下げることも考えたが、距離が延びるし、風が弱そうなので止めた。

日付変更線を越えてしばらくの間は、南側の弱々しい高気圧と北側を通過する低気圧の間を追手で走ることが出来た。

さらに進むと、北から大きな高気圧が発達しながら下りてきて、サンフランシスコへ向かう進路を阻まれた。高気圧の南側を通過せざるを得なかったので、真向かいの東寄りの強風に何日も悩まされた。

その後サンフランシスコまで 700 マイルほどのところで、北寄りの強風とともに大波に遭遇した。
この海域の波は何故か波長が短く、波高が風速の割には高い、いわゆる険しい波で、波に横腹を向けると横倒しにされて谷底へ突き落とされそうになる。日本近海を抜ける時に遭遇した低気圧の荒天の時より激しい揺れに悩まされた。

サンフランシスコに近づくと、サンフランシスコ湾の入口には広大な浅水域がいくつかあって、潮流と風向によっては波がかなり悪くなるとのことだったので、水深の深い本船航路を通ることにした。

サンフランシスコ湾入り口

ゴールデンゲートブリッジをくぐってサンフランシスコ湾に入るのだが、ゴールデンゲートブリッジが架かっている海峡のことをゴールデンゲートと呼ぶことを後で知った。

サンフランシスコ湾

清水出港後に、長距離航海懇話会の長尾さんから紹介して頂いた Silicon Valley Sailing Club CEO の南さんから、ゴールデンゲートは潮流が強いので逆潮では通過できないことを教えて頂き、同時に頂いた潮流情報を基にゴールデンゲートの通過予定時間を決めた。

ゴールデンゲートの潮流情報は、NOAA のホームページで調べることが出来るので、事前に入手しておくべきだった。

サンフランシスコ湾に入り、さらにベイブリッジをくぐった後、細いチャンネルを通ってオークランドのジャックロンドンスクエアに入港した。

ジャックロンドンスクエアまで


2) サンフランシスコ ~ ハワイ

108. SF-Hawaii

北米西方に大きく張り出す太平洋高気圧の南の縁を通れば、安定した貿易風を受け続けることが出来るので、一般的には、サンフランシスコを出た後一旦ロサンジェルス沖くらいまで南下してからハワイを目指すのが良いと言われていた。
ところが、昨年 (2015年) はその高気圧の中心がかなり北にあったので、サンフランシスコからハワイまでラムラインを走っても十分北東の貿易風を受けることが出来た。

ハワイに近づいた時、ハワイへ向かっているハリケーン IGNACIO に進路を阻まれた。
スピードを上げてこのハリケーンの前を横切ってハワイへ入るか、ヨットを停めてやり過ごすか考えていたら、次のハリケーン JIMENA が発生した。

最終的に 5 日間ヨットを停めて漂泊し、IGNACIO をやり過ごした後、JIMENA が来る前にハワイへ入った。
JIMENA の進路によっては、漂泊せずに逃げ回ることも考えていたが、JIMENA は自艇が漂泊している場所に向かってくるように進路を変え始めたので、漂泊を切り上げてエンジンも使って全速力でハワイを目指した。

オアフ島とカウアイとの間の Kawi Channel を抜けて、ダイヤモンドヘッドを回るとワイキキビーチとホテル群が見えてくる。

オアフ島

ワイキキビーチの西の外れとアラモアナ公園の間に、広大な係留水面を有するハワイ州立のアラワイボートハーバーと、プライベートの名門のハワイヨットクラブとワイキキヨットクラブがある。

ホノルル

係留水面に入って行く水路は、狭くて、両側は暗礁、岩礁地帯になっているので絶対に航路ブイから外れてはならない。
うねりが大きい時は水路でも波頭が崩れることがあるそうなので注意を要する。

アラワイボートハーバー

上のチャートの青線のように回り込んで、アラワイボートハーバーのビジターバースである、X - Dock (クロスドック) に係留した。

夜間は陸上に設けられた誘導灯が点灯するが、航路ブイは入口の 2 個 (沖側の赤緑 1 組) しか点灯しないので、夜間の入港は避けた方が良い。


3) ハワイ ~ 清水

ハワイ~清水

ハワイを出た後は、絵に描いたように太平洋高気圧が張り出してきたので、出航 3 日目から 3 週間もの間安定した北東の貿易風を受けながら、真西へ向けて快適に走ることが出来た。

その後、東経 161. 5 度付近で進路を北寄りへ変えて日本を目指した。

日本近海は黒潮をどこで横切るかが問題だった。
黒潮に乗りながら横切ることを考えて、一時は四国沖を目指したが、黒潮は八丈島付近で大きく蛇行して北寄りに向きを変えているだろうと予想して八丈島を目指した。予想通り、八丈島に近づくと 8 ~ 9 ノットで快走して黒潮を横切ることが出来た。

このレグは、天候に恵まれて、毎日のように快晴が続き、風も北東の安定した貿易風を 3 週間近く連続して受け続けることが出来たので、日本を出て以来初めて航海を楽しむことが出来た。

日の出、日の入りの景色は、息を飲むほど美しく、グリーンフラッシュを 3 度も見ることが出来た。夜は毎日のように満点の星空を楽しんだ。

至福とも思える時間を何日間も過ごすことが出来て、ヨットをやっていて本当に良かったと思った。




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コメント:
No title
市販されています航海記を読む様でとても楽しかったし参考になりました。
電子レンジの無いマイヨットでのクルージングの為に、本当は調理の話も聞きたかったのですが、従前から古賀さんは船内調理はしない方とは知っていましたので・・・。
Re: No title
Masutopoki さん

コメント有難うございました。
船内調理はしないことになってますが、気が向けばステーキは焼きますし、魚は捌きますし、鯛を頂いた時にはあら煮も作りましたよ。

TSUYOTAKA
古賀
No title
一気に読ませてもらいました。大変参考になります。航海中は、ただぼんやりしている時間はあまり無いのですね。一番のリラックスタイムはどんな事だったのでしょうか?
Re: No title
「Venti 1」 さん、

コメント有難うございました。

一番のリラックスタイムは、満点の星空を見上げながら、星たちと話をした時でしょうか。
自分は変わり者なのでしょう、昼間も水平線に囲まれて、真っ青な空のもと紺碧の海を滑るように走っている時は、海はいいなー、ヨットをやっていて良かったなーとつくづく思いました。

TSUYOTAKA
古賀

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