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太平洋横断往復航海の準備と実際 (その8)

2016-10-29
2016年10月29日(土) 15時30分 記

太平洋横断往復航海の準備と実際 (その8)

  目 次

  1.ヨットの紹介 (2016年10月 5日のブログ参照)
  2.船体の準備 (2016年10月10日のブログ参照)
  3.電源設備  (2016年10月11日のブログ参照)
  4.航海計器  (          〃          )
  5.無線設備  (          〃          )
  6.法定備品  (          〃          )
  7.その他の準備 (2016年10月13日のブログ参照)
  8.装備の二重化 (         〃           )
  9.復原性の悪化 (2016年10月25日のブログ参照)
 10.荒天時の対策 (         〃           )
 11.免許、資格等の準備 (2016年10月26日のブログ参照)
 12.チャート         (         〃           )
 13.気象情報の入手   (         〃           )
 14.船内の生活            (2016年10月27日のブログ参照)
 15.食糧、清水、燃料、医薬品    (         〃           )
 16.出航日、帰国予定時期の決定 (         〃           )
 17.航海コース             (         〃           )

= 本日紹介分の目次 =

 18.航海中のサポート等
 19.出港手続き、入港手続き
 20.サンフランシスコ、ハワイでのサポート

============

 21.航海中のトラブル
 22.航海の総括
 23.航海中の写真集


18. 航海中のサポート等
1) アマチュア無線のネットワーク
北海道の北見にお住まいの原田さんがコントローラーを務めるシーガルネットと、小笠原父島にお住まいの山田さんがコントローラーを務めるオケラネットに毎日チェックインするべくスタンバイした。

ネットワークの皆さんからいろいろな情報を頂いたり、生の声で励まして頂いたりして、心強かった。

周波数と交信時間は、シーガルネットが 21. 382 MHz (USB)で朝7時から、オケラネットが 21. 437 MHz (USB) 昼の 12時 20分からで、東へ進んで行くに従って徐々に交信時間が遅れて行くが、遅れても日中 ~ 夕方の時間帯なので好都合だった。

シーガルネットとオケラネットの皆さんには心から感謝しています。

2) メール
Iridium GO を通じて、インターネットメールが陸に居る時と全く同じように送受信出来た。普段使っているスマートフォンで、撮影した写真を添付してメールを作成し、ボタン一つで送受信が出来たので楽だった。

3) ブログ
2012年 3月に日本周航に出た時から、FC2 のブログを公開していた。
Iridium GO を通じて、簡単にブログをアップすることが出来た。ブログ会社の決められたアドレスへメールを送ると、それがそのまま自動的にブログになってアップされた。写真を1枚だけ添付することが出来た。
ただし、一方通行なので、送った原稿がどのような体裁になったかを見ることは出来ず、ブログに頂いたコメントもヨットでは見ることが出来なかった。

4) 自艇位置、航跡の公開
気象情報を入手する契約をした、PredictWind 社が提供する無料のサービスを申し込んだ。
Iridium GO から自動的に、任意に決めたインターバルで位置情報が送られて、インターネット上の自艇のサイトに自艇位置と航跡が表示された。

14. 131

23. 245

33. 524

家族、友人などが現在位置を知ることができたので、良いシステムだった。


19. 出港手続き、入港手続き等
1) 清水港出港時
(1) 関東運輸局の運輸支局
・ ヨットの「国籍証明書」
 出航前年の2014年 12月に入手

(2) 清水海上保安部
出港時に清水海上保安部が結構関与してきたので驚いた。
・ サンフランシスコへ向けて出航する日時の事前報告
・ 航海計画書の提出

・ 帰国時に提出する「船舶保安情報」のブランクフォーム入手
 帰国時、入港の 24 時間以上前に所轄の海上保安部へファクスで送る必要があった。
 ファクスでしか受け付けないとの事だったので、留守宅の家族に送信原稿を預けて、
 入港予定日時がある程度分かった時点で送信を依頼した。
 この届け出をしないと、24 時間入港させてもらえないこともあり得る模様。石垣島で、
 米国のヨットがこの届け出を怠り、24 時間港外で錨泊させられた。

・ 出航前の臨船検査
 小型船舶操縦士免許証、船検証はもちろん、海上特殊無線技士免許証、
 無線局免許状の提示を求められた。
 この時に、船検証の「国際航海」の表記、一級海上特殊無線技士の資格、
 無線局が「船舶局」であることをチェックしたのだと思う。

(3) 清水税関
・ 外航往来船への資格変更届けの書式に記入し、押印を受けた。
・ 出港届 (General Declaration) に記入し、押印を受けた。
 外航往来船への資格変更を行った船舶にのみ発行するとのこと。
 必要事項を日本語で記入してしまったが、米国入国時問題はなかった。

(4) 名古屋入管静岡出張所
・ パスポートに出国の押印をしてもらった。
 数年前までは、清水に出張所があったらしいのだが、現在は静岡駅の近くにある。

2) サンフランシスコ入港時
清水出港後、長距離航海懇話会の長尾さんから Silicon Valley Sailing Club CEO の南さんを紹介して頂き、サンフランシスコ入港前から連絡を取らせて頂いた。
入港時、南さんが税関へ連絡してくれて、オークランドのジャックロンドンスクエアーに入港せよとの税関の指示をメールと電話で伝えてくれた。

ジャックロンドンスクエアーに到着すると、南さんと SVSC のメンバーの方が待っていてくれて、係留場所を教えてくれた。
係留後、ほどなく税関職員が二人来て、入国手続きと入港手続きを行った。

IMG_8594_201610291506231ab.jpg

検疫検査は無かったような気がするが、顔色等から問題なしと判断したのかも知れない。

南さんと、メンバーの方が通訳してくれたので、スムーズに終了した。19 ドルの現金が必要だった。

米国には、牛肉、鶏肉と、それらのエキスが入った食品は持ち込めないことを初めて知った。
それらを含むレトルト食品、カップ麺が船内に多数あることを知って慌てたが、幸い船内の検査が無くてほっとした。見つかったら没収されていた。

米国では、領海内、特に港内でのトイレからの排出は禁止されていて、ホールディングタンクが必要なのではないかと思っていた。したがって、入港時にトイレの検査があって、ホールディングタンクを持たない船は船外排出弁のレバーが封印される等、厳しい要求事項があるのかと思っていたが、検査も要求事項もなかった。

米国では、立ち小便は警察に通報されるのであり得ないし、港内でトイレを使用するなど常識とモラルの問題なのであり得ないとして、検査も要求事項もなかったのだと思う。

サンフランシスコの入港手続きに関しては、2015年 8月 13日 (現地時間 8月 12日) のブログ参照。

3) サンフランシスコ出港時
出航前日に、オークランドの西のはずれのコンテナヤードにある税関事務所まで赴いて出航手続きを行った。現金で 19 ドルを支払ったように思う。

次の港はハワイで米国国内だが、出港手続きが絶対に必要。
これを怠るとかなり高額の罰金を科せられることもあるようなので要注意。

4) ハワイ、ホノルル入港時
やはり、長距離航海懇話会の長尾さんから、現地在住のヨットマン原田さんを紹介して頂き、入港前から連絡を取らせて頂いた。入港時、アラワイボートハーバーに係留しているヨットに滞在中の池田さんと二人で待っていてくれて、アラワイボートハーバーのビジターバースに案内してくれた。係留後、税関へ連絡してくれて、職員が二人来て入港手続きを行った。

ハワイは、入港時船内のゴミがうるさいと聞いていた。
プラスチック容器は航海中海に捨てられないので、船内に置いておく必要があるが、カップ麺の容器などが汚れていて悪臭を放っていたりすると、業者による回収を要求されて、法外な費用を請求されることがあるようなので要注意。
カップ麺の容器、レトルトご飯の容器などは、海水で洗って乾燥させておいたので、問題なかった。

持ち込み禁止食品の検査は厳しかった。
残っている食料を見せろと言われたので、予め白黒取り混ぜて用意しておいたカゴを差し出すと、有無を言わさずこの袋に入れろと言われたので、全て放り込んだ。

カゴの中身を、これは OK、これは NO と仕分けされるのかと思っていたので意外だった。原田さんが、それは出航時に返してくれるのですよねと聞いてくれたが、呆れたように、食料が欲しければスーパーで買えば良いだろうとのことだった。
つまり全て没収された。

さらに、船内を隈なく検査され、完全に白と思っていた具沢山のインスタントみそ汁、おかゆ、大根おろし付きさんまの塩焼きの缶詰など、レトルトご飯と缶入りパン以外はほとんど没収されてしまった。

この種の検査は人に依ると思うが、最も厳しく検査されたと思う。

なお、ハワイ入港時は、米国外から入港する場合は、入港の48 時間前から入港するまでの間に税関事務所へ連絡する必要があるとのこと。
米国内から入港する場合は、入港後に税関事務所へ連絡すれば良いとのことだった。

ホノルルの入港手続きに関しては、2015年 9月 30日 (現地時間 9月 29日) のブログ参照。

入港手続き終了後、アラワイボートハーバーにビジターとして係留手続きを行ったが、ハワイ州立の公共ハーバーのため厳しい検査や要求事項があった。

アラワイボートハーバーの係留手続きに関しては、2015年 10月 4日 (現地時間 10月 3日) のブログ参照。

5) ホノルル出港時
出航日が日曜日だったので、前々日の金曜日の午後、ホノルル港のコンテナターミナルの一角にある税関事務所へ赴いて出港、出国手続きを行った。現金 19 ドルが必要だった。日本語が分かる職員が対応してくれて、スムーズに終了した。

6) 清水港入港時
富士山羽衣マリーナに入港したが、事前にマリーナへ到着予定日時を連絡しておいたので、事務所の方が入港手続きが必要な役所へ連絡しておいてくれた。
入港してすぐに職員が来てくれて、入港手続きはスムーズに終了した。

(1) 清水海上保安部
入港予定日時の 24 時間以上前に、予め用意しておいた 「船舶保安情報」 を留守宅の家族にファクスしてもらった。
入港翌日に臨船検査に来た。
出港時と同様、小型船舶操縦士免許証、船検証、海上特殊無線技士免許証、無線局免許状の提示を求められた。

(2) 清水検疫所
検疫官が来て臨船検疫を行った。
質問に答えて、書類を作成して終了。
日本からの出航時に、船舶衛生検査書を取得していれば、帰国時に臨船検疫を行う必要は無く、入港時に電話連絡するだけで終了するとのことだった。

(3) 清水税関
税関職員が来て、入港届を作成して、酒、煙草などの持ち込み品の質問に答えて終了。
外国で購入した燃料は、ある量以上は課税の対象になるらしい。たしか、60 リッターだったと思うが、残量はそれ以下ですと答えて終了した。

(4) 名古屋入管静岡出張所
パスポートに帰国の押印をしてもらった。


20. サンフランシスコ、ハワイでのサポート
1) サンフランシスコ
入港手続きの項で述べたとおり、長距離航海懇話会の長尾さんに紹介して頂いた、Silicon Valley Sailing Club (SVSC) CEO の南さんを始め、SVSC のメンバーの皆さん、メンバーの友人の方々に、滞在中大変お世話になった。

全く初めての外国の港に入港して、入港手続きはもちろんのこと、ヨットの修理、部品の購入、日常品、食料品の買い物などは、現地在住の方にサポートして頂かないとなかなか難しい。

入港手続きなどは、たとえ英語が堪能であったとしても、サンフランシスコのような大都市の港では、VHFまたは電話で関係部署と連絡を取って、相手の指示通りの係留場所へ向かうことは土地勘が無ければ無理であろうと思う。
滞在中の買い物なども、車が無ければ難しい。

今回、1 ヶ月間のサンフランシスコ滞在中に、SVSCの南さんを始め、メンバーの皆さんやメンバーの友人の方々に、交代こうたいで、買い物に連れて行って頂いたり、観光に連れて行って頂いたり、食事会や懇親会などに参加させて頂きました。

IMG_8696.jpg

IMG_8678_2016102915062203e.jpg

大助かりするとともに、楽しく過ごすことが出来て、大変感謝しています。

2) ハワイ
入港手続きの項で述べたとおり、やはり長距離航海懇話会の長尾さんに紹介して頂いた現地在住のヨットマンの原田さんに、入港手続きのみならず、アラワイボートハーバーのビジター係留手続きなどで大変お世話になりました。

また、アラワイボートハーバーに係留しているヨットに滞在中の池田さんには、ハワイヨットクラブを紹介して頂いたり、買い物、コインランドリーの場所などを親切に教えて頂いたりと大変お世話になりました。

ホノルルにはハワイシニアライフ協会 (HISLEA) というNPOがあって、いろいろな活動をしている。
その活動の一つとして、アラモアナ公園のマジックアイランドで毎週土曜日の朝 7 時半から、気功エクササイズが開催されているので、それに参加すると親切な皆さんと知り合いになれて、交流の輪が一気に広がって、楽しく滞在できる。

IMG_3930、気功最終日

また、やはり HISLEA の活動の一環として、毎週水曜日の朝 8 時半から、アラモアナ公園でラジオ体操が行われている。
ラジオ体操以外に、懐かしい曲に合わせて体を動かす、健康表現体操もやるので、たまには童心に帰って体を動かすのも楽しい。




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太平洋横断往復航海の準備と実際 (その7)

2016-10-27
2016年10月27日(木) 18時 記

太平洋横断往復航海の準備と実際 (その7)

  目 次

  1.ヨットの紹介 (2016年10月 5日のブログ参照)
  2.船体の準備 (2016年10月10日のブログ参照)
  3.電源設備  (2016年10月11日のブログ参照)
  4.航海計器  (          〃          )
  5.無線設備  (          〃          )
  6.法定備品  (          〃          )
  7.その他の準備 (2016年10月13日のブログ参照)
  8.装備の二重化 (         〃           )
  9.復原性の悪化 (2016年10月25日のブログ参照)
 10.荒天時の対策 (         〃           )
 11.免許、資格等の準備 (2016年10月26日のブログ参照)
 12.チャート         (         〃           )
 13.気象情報の入手   (         〃           )

= 本日紹介分の目次 =

 14.船内の生活
 15.食糧、清水、燃料、医薬品
 16.出航日、帰国予定時期の決定
 17.航海コース

============

 18.航海中のサポート等
 19.出港手続き、入港手続き
 20.サンフランシスコ、ハワイでのサポート
 21.航海中のトラブル
 22.航海の総括
 23.航海中の写真集


14. 船内の生活
1) 一日の日課
気象ファクス受信スケジュールをベースにして一日の日課表を作成した。

<< 日課表の一例 >>

04 : 00    起床
04 : 30    海上悪天24時間予想天気図 (前日21:00 解析分)
05 : 40    地上解析天気図 (03:00 現在)
06 : 00    海上悪天48時間予想天気図 (前日21:00 解析分)
06 : 30    朝食
07 : 00    シーガルネット チェックイン
         気象情報をもとにコースを検討
11 : 40    地上解析天気図 (09:00 現在)
12 : 00    昼食
12 : 20    オケラネット チェックイン
         自由時間、ブログアップ等
14 : 48    海上悪天24時間予想天気図 (09:00 解析分)
17 : 00    業務終了
17 : 20    海上悪天48時間予想天気図 (09:00 解析分)
17 : 40    地上解析天気図 (15:00 現在)
18 : 00    夕食
20 : 30 ~ 23:30 仮眠
23 : 40    地上解析天気図 (21:00 現在)
24 : 30    就寝

朝起きてから結構忙しく、気象ファクスの受信、コースの検討以外に、朝日、夕陽の写真を数十枚撮って、その中から水平線が水平になっている最も良い写真を1枚だけ選んでブログに載せたり、航海日誌を日に 3 回つけたり、メールの送受信をしたりと、やることはたくさんあった。

キャビン内のデスクワークスペース。ここで食事もとった。
7. IMG_3963

航海日誌。朝昼晩 3 回の記録を取って、昼の記録をブログに載せた。
DSC_0094.jpg

日中は結構ボーっと外を見ていたが、天気の良い穏やかな日には外で読書も楽しんだ。
8. IMG_3964

自由時間には本を読もうと思ってたくさん積んだが、結局文庫本 1 冊半しか読めなかった。
キャビン内で本を読み始めると集中してしまい (逆に集中しないと身に入らないのだが)、外の音が全く聞こえなくなり不安になった。天気の良い日に外で読んだが、長い時間読み続けることは出来なかった。

クオーターバース(キャビン内船尾右舷)の睡眠場所。
3. IMG_2912

結構広くて快適な睡眠場所だった。
4. IMG_2913

夕方 5 時になると、「業務終了!」 と宣言して、部屋着に着替えて寛いだ。
オン、オフのメリハリが必要だと思った。

2) シャワー、洗髪
清水を節約していたので、洗髪、シャワーは10日~2 週間に1回くらいのペースだった。
それ以外は、ウエットタオルで体を拭いていた。あまり汗をかかなかったので、ウエットタオルで十分で、それほどシャワーを浴びたいとは思わなかったが、頭は痒くなったので洗髪は若干回数を増やした。
水を使わないで洗髪出来るドライシャンプーは積まなかったが、試してみる価値はあったのではないかと思う。

気温がそれほど高くなかったので、デッキでシャワーを浴びるのは天気の良い日でないと寒かった。
石鹸を塗りたくって海に入り、プロペラの点検をしながら石鹸を落とし、デッキに戻った後清水で塩分を落とす方法が良いと思った。
ただし、ヨットを止めなければならず面倒だったので、プロペラに絡まったゴミを取り除いた時の 1 回しかやらなかった。

清水は、1 回に 2 リッターのペットボトルを 2 ~ 3 本使った。
雨が降った時に、外へ出て雨水をシャワー代わりに浴びることはやらなかった。雨が降ったら寒くて外へ出る気がしなかった。

3) 睡眠時の体制、対策
航海中最も怖かったのは衝突だった。
他船との衝突は、送受信型の AIS を積んでいたので、AIS 搭載義務のある大型船との衝突は 100 % 避けられると思った。 AIS 搭載義務の無い小型漁船が太平洋に繰り出していることは考え難かったので、沿岸域を除いて船舶との衝突は無いと考えた。

したがって、本当に怖かったのは漂流物との衝突で、太平洋には東日本大震災の時の漂流物が、今だに大量に漂流していることを聞いていたので、昼間は見張りをしているという訳ではなかったが、結構ボーっと海を見ていた。その時、流木、浮玉などを結構見たが不気味だった。

夜は、海を見ていても何も見えないので、開き直って寝た。
小刻みな睡眠とワッチを繰り返す方法は取らずに、日課表のとおり大体 3 時間づつ 2 回に分けて寝た。老化現象で頻尿になっていて、6 時間も 7 時間も連続して寝ることが出来なくなっていたので、3 時間前後で自然に目が覚めて好都合だった。

一度だけ、夜寝ている時にすぐ近くから大きな汽笛を鳴らされたので驚いて飛び起きた。慌てて外を見ると、すぐ横を大型船がすれ違って行った。

この時は、AIS の確認が甘かったか、やらなかったか、相手船のスピードが速かったので、接近するまでの時間が短かったか、いずれにしても就寝前の確認不足だった。

航海灯を消していたので、注意喚起で汽笛を鳴らされたのだと思う、さすがに恥ずかしかった。


15. 食糧、清水、燃料、医薬品
1) 食 糧
船内での自炊(煮炊き)はせず、火を使うのはお湯を沸かす時だけにしたので、レトルト食品とインスタント食品をメインに構成した。

レトルトご飯は、12 V で駆動する電子レンジで温めた。その他のレトルト食品、インスタントおかず、缶詰等は必要に応じてお湯で温めた。
野菜は全く積まなかった。冷蔵庫が小さかったので、冷凍食品も積まなかった。

4. 165

この電子レンジは、「カモメ」 の庄司さんも積んだが役に立たなかったとのこと。
10月 13日のブログ (その4) 「その他の準備」 でも説明したとおり、設置位置がバッテリーから離れている場合は、メーカー支給の電線では細過ぎて電圧降下が大きいため、性能が出ないので設置時要注意。

朝 食 : ロングライフパン 2 個と 200 cc パックの野菜ジュース 1 本

1. DSC_1072

昼 食 : カップ麺とレトルトご飯等
夕 食 : カレーライス、丼物、ご飯と副食等

主 食 : 「レトルトご飯」 の白米、炊き込みご飯、ピラフ、チキンライス等。
      乾燥米飯のピラフ、チャーハン等。
      カップ麺のラーメン、うどん、そば、焼きそば等。
副 食  : レトルトのカレーや丼物、レトルトおかず、缶詰など。

2. 1317

嗜好品 : アルコールは好きな方だが、航海中は飲まないことにした。
        ビール党なので、1 本飲めばもう 1 本となることは明らかだったので、往路とハワイ
        まではビールは積まなかった。
       ただ、体温低下時の気付け薬の代わりとして、戴き物を含めてウイスキーとワインを
       各2本積んだ。
間 食 : チョコレート、ビスケット、あめ玉、ガム等、口が寂しくなると良く食べた。

もともと自炊はしなかったので、レトルト食品、インスタント食品、缶詰などに100 %依存した。
最近のレトルト食品は美味しいし、種類も豊富にあるので、飽きることはなく、毎食何を食べるか悩むほどだった。缶詰も昔のイメージは無く、お湯で温めて皿に盛り付ければ、食卓を飾るのにふさわしい内容になった。

朝食のロングライフパンは、賞味期限が工場出荷時には最長 90 日間のものもある。
防腐剤などで賞味期限を延ばしているのではなく、独特の製造方法でロングライフになっている。種類も豊富にあり、毎朝朝食が楽しみになるほど美味しかった。

野菜は全く積まなかったので、ビタミン等の栄養不足を心配したが、カゴメの野菜ジュースのキャッチコピー 「野菜一日これ一本」 を信じて毎日一本飲んだ。信ずる者は救われるの例え通り、救われたのであろう、体の不調は全く無かった。

レトルト食品、インスタント食品ばかりであったが結構充実した食生活だった。

2) 清 水
飲料水 : 温泉天然水 「財宝」 10 リッターの箱入りを 10 箱、合計 100 リッター積んだ。
       毎日飲む水で、箱にコックが付いていたので水を取り易かった。
       500 cc のペットボトルに移して冷蔵庫で冷やしていた。
       箱は一辺 24 cm ほどの立方体で、段積みも可能で無駄なく収納でき、固縛も
       やり易かったので良かった。
       航海中の平均消費量は、1 日当たり 0. 87 リッター。

調理水 : 2 リッターのペットボトル 40 本に水道水を詰めて、合計 80 リッター積んだ。
       カップ麺やコーヒーに使用。
       航海中の平均消費量は、1 日当たり 1. 87 リッター。

雑用水 : 船体の清水タンクに水道水を 120 リッター積んだ。
       洗面、歯磨き、手洗い、シャワー、洗髪等に使用。調理水がかなり余ったので、
       清水タンクへ移して使用した。
       航海中の平均消費量は、1 日当たり 1. 25 リッター。

清水全体の消費量を合計すると、1 日当たり約 4 リッターほど。

3) 燃料
燃料タンクに 110 リッター、ポリタンクに 60 リッター、合計 170 リッター積んだ。
バッテリーの充電に 1 日当たり 1 リッター消費することを考えていたが、実際には充電だけの目的でエンジンを回したことは少なかった。

サンフランシスコまでの行程の 2/3 ほど進むまでは、その先で何があるか分からなかったので、エンジンは極力使わないようにした。24 時間エンジンを回したら燃料を 20 リッター以上消費すると思ったら、エンジンは使えなかった。

風速 4 m/s 以下になるとウインドベーンが使えなくなり、オートパイロットを使わざるを得なくなったので、その時は充電を兼ねてエンジンを 1, 800 回転くらいで回した。しかし、その状態が何時間も続くことは無かったので助かった。

サンフランシスコ到着前 1 週間ほどになったら、風が落ちた時は早く到着したいと気がはやり、結構エンジンを使った。
ハワイ到着前の 2 ~ 3 日間も、ハリケーンに追いつかれないようエンジンを使ったが、先が見えていたので、燃料消費を考えずに思いっきり回した。
清水到着前の 2 ~ 3 日間も、低気圧の接近が予想されたので、やはり燃料消費を考えずにエンジンを回し続けた。

しかし、夜間は漂流物が見えないので極力エンジンは使わないようにした。

4) 医薬品
医療に関する知識がゼロだったので、市販の医薬品(消毒液、キズドライ、ガーゼ、包帯、バンドエイド、湿布薬、胃腸薬、正露丸、風邪薬など)を積んだだけだった。
知り合いの医者が、抗生物質を出そうかと言ってくれたが、種類が多そうで知識の全くない者が服用するのはちょっと怖かったので積まなかった。

幸い、大きな怪我をせず、病気にも全くかからなかったので、これも本当に幸運だったと思っている。


16. 出航日、帰国予定時期の決定
1) 出航日
(1) 清水出航日
2015年 5月 21日に出航した。
当初 5月 15日に出航する予定だった。太平洋を渡るのは、太平洋高気圧がしっかり張り出す 6 月中旬に出航して、太平洋高気圧の北の縁に吹く西風を受けて追手で走るのが良いと聞いていた。
一方、サンフランシスコに到着した後、ハワイへ向かうのであまり遅くならない方が良いと思い、5 月中旬に出れば良いだろうくらいに考えて、お日柄も考慮して 5月 15日を出航日に決めた。

実際には、5 月としては異例の台風6号、7号が本州に接近したので、台風 7 号が通り過ぎるのを待って、5月 21日に出航した。
その後、停滞前線が形成され、その上を低気圧が次から次へとやってきて、出航後 4 日目には北東へ進む大きな低気圧の前を横切ろうとして失敗、その低気圧に捕まって、生まれて初めての大時化に遭遇した。

荒れる日本近海を抜け出すことが大仕事になるので、慎重に天候を見極めて出航日を決める必要があるとしか言いようが無いような気がする。

日本近海を抜けてしまえば、太平洋高気圧がどうであろうと、急ぐ旅ではないと腹をくくって、気圧配置を見ながら対症療法的にコースを決めれば良いのではないだろうか。

(2) サンフランシスコ出航日
2015年 8月 14日にハワイへ向けて出航した。
これも特に何も考えていなかったのだが、サンフランシスコをゆっくり観光したかったことと、マリーナの係留契約が 1 ヶ月間だったので、1 ヶ月後に出航した。

しかし出航間際に、友人のカナダ人のヨット乗りから、既にハリケーンシーズンに入っているのでハワイへ向かうのは遅すぎると言われた。
実際、出航前からハワイ付近でハリケーンが 1 つ発生していて、出航後に 3 つ発生した。その内の 2 つに、ハワイ到着前に挟み撃ちにされた。

北米太平洋岸のハリケーンシーズンは 6 月から 11 月で、その中でも、8 月から 10 月の発生が多いと言われているので、注意を要する。

2) 帰国予定時期
ハワイに到着した後、すぐに日本へ向かうと日本は台風シーズンになっているので、ハワイで冬を過ごして、日本の気候が最も安定している 5 月に帰国したいと思った。
逆算して、翌年の 4 月初旬にハワイを出ることにした。

本音を言うと、あこがれのハワイに長期間滞在したいという希望があった。
ハワイに 7 ヶ月間滞在した後、2016年 4月 3日にハワイを出て日本へ向かった。

日本近海に近づくと、相変わらず本州南岸をひっきりなしに低気圧が通過していて怖かった。
清水港に 5月 10日に到着することが見えてきた時、東進する低気圧と鉢合わせすることが予想された。スピードを落としてその低気圧をやり過ごすことも考えたが、その後ろにも次の低気圧が控えていたので、そのまま突っ込んだ。
幸い勢力は弱く、小雨が降った程度だったので助かった。

『日本近海はいつも怖い』 の一言に尽きると思う。


17. 航海コース
1) 清水 ~ サンフランシスコ

118. 清水-SF

北太平洋のアリューシャン列島の近くを通る大圏コースは取らずに、北緯 35 度から 40 度の間を東へ向かい、米国に近づいたら北米西海岸を北から南へ流れる海流を考慮して少し北へ上って、サンフランシスコへはやや北からアプローチしようと考えた。

大圏コースは、距離は短くなるが、気温が低く、「低気圧の墓場」 と呼ばれていて常に海が荒れていると聞いていたのでやめた。

出航後、日本近海を抜けるまでは、本州南岸沿いに次から次とやって来ては北東へ向かう低気圧の進路をほぼ直角に横切りたかったので、コースを南東へ向けた。
結果は、黒潮に阻まれてスピードが出ず、もたもたしていて大きな低気圧に捕まってしまった。

日本近海を抜ける時は、低気圧の進路と黒潮の流路の両方を考慮してコースを決める必要があるが、房総半島南端の野島崎の東方海域は通らない方が良いと思う。

この海域は、かつて大型外航船が何隻も沈んだことで知られる荒れる海域で、自分も日本周航中の 2014年に、三宅島から函館へ向かう途中この海域を通過した時、風はそれほど強くないのに、悪い波に翻弄されたことがある。
この海域で低気圧に捕まったら大変なことになるのではないかと思う。

低気圧のことを考えなくて良いのなら、黒潮に乗って銚子の東方海域まで行き、そのまま流されて東へ向かうコースが最も良いような気がする。

日本近海を抜けた後は、太平洋高気圧の北の縁を西寄りの風を受けながら追手で走るはずだったが、昨年は太平洋高気圧がしっかり発達してくれなかった。
代わりに、本州南岸を通過した低気圧が次から次へと追いかけてきて、日付変更線を越えても気が抜けなかった。低気圧が来ると南へ逃げて、低気圧が去るとまた北へ上る繰り返しだったが、風は南西だったので東へ向かうには好都合だった。

ほとんどの低気圧はかなり長い寒冷前線を引っ張っていたので、寒冷前線が頻繁に真上を通過することは避けられなかった。
しかし、低気圧の中心から離れていたので、日本近海では恐れられていた寒冷前線も、太平洋では概ね大したことは無かった。雨がしとしと降って、風向が穏やかに南西から北西に変わるだけのことが多かった。

したがって、低気圧にも慣れてくると、南西の強い風を求めて温暖前線と寒冷前線の間へ向かって行ったこともあった。

全般的に、天候はそれほど悪くなく、心配した濃霧にもそれほど遭わなかった。
気温はそれほど寒くなく、暖房を入れたのは2 ~ 3日だけだった。北緯35度より南は温かい楽園ではないかと思えたので、コースを下げることも考えたが、距離が延びるし、風が弱そうなので止めた。

日付変更線を越えてしばらくの間は、南側の弱々しい高気圧と北側を通過する低気圧の間を追手で走ることが出来た。

さらに進むと、北から大きな高気圧が発達しながら下りてきて、サンフランシスコへ向かう進路を阻まれた。高気圧の南側を通過せざるを得なかったので、真向かいの東寄りの強風に何日も悩まされた。

その後サンフランシスコまで 700 マイルほどのところで、北寄りの強風とともに大波に遭遇した。
この海域の波は何故か波長が短く、波高が風速の割には高い、いわゆる険しい波で、波に横腹を向けると横倒しにされて谷底へ突き落とされそうになる。日本近海を抜ける時に遭遇した低気圧の荒天の時より激しい揺れに悩まされた。

サンフランシスコに近づくと、サンフランシスコ湾の入口には広大な浅水域がいくつかあって、潮流と風向によっては波がかなり悪くなるとのことだったので、水深の深い本船航路を通ることにした。

サンフランシスコ湾入り口

ゴールデンゲートブリッジをくぐってサンフランシスコ湾に入るのだが、ゴールデンゲートブリッジが架かっている海峡のことをゴールデンゲートと呼ぶことを後で知った。

サンフランシスコ湾

清水出港後に、長距離航海懇話会の長尾さんから紹介して頂いた Silicon Valley Sailing Club CEO の南さんから、ゴールデンゲートは潮流が強いので逆潮では通過できないことを教えて頂き、同時に頂いた潮流情報を基にゴールデンゲートの通過予定時間を決めた。

ゴールデンゲートの潮流情報は、NOAA のホームページで調べることが出来るので、事前に入手しておくべきだった。

サンフランシスコ湾に入り、さらにベイブリッジをくぐった後、細いチャンネルを通ってオークランドのジャックロンドンスクエアに入港した。

ジャックロンドンスクエアまで


2) サンフランシスコ ~ ハワイ

108. SF-Hawaii

北米西方に大きく張り出す太平洋高気圧の南の縁を通れば、安定した貿易風を受け続けることが出来るので、一般的には、サンフランシスコを出た後一旦ロサンジェルス沖くらいまで南下してからハワイを目指すのが良いと言われていた。
ところが、昨年 (2015年) はその高気圧の中心がかなり北にあったので、サンフランシスコからハワイまでラムラインを走っても十分北東の貿易風を受けることが出来た。

ハワイに近づいた時、ハワイへ向かっているハリケーン IGNACIO に進路を阻まれた。
スピードを上げてこのハリケーンの前を横切ってハワイへ入るか、ヨットを停めてやり過ごすか考えていたら、次のハリケーン JIMENA が発生した。

最終的に 5 日間ヨットを停めて漂泊し、IGNACIO をやり過ごした後、JIMENA が来る前にハワイへ入った。
JIMENA の進路によっては、漂泊せずに逃げ回ることも考えていたが、JIMENA は自艇が漂泊している場所に向かってくるように進路を変え始めたので、漂泊を切り上げてエンジンも使って全速力でハワイを目指した。

オアフ島とカウアイとの間の Kawi Channel を抜けて、ダイヤモンドヘッドを回るとワイキキビーチとホテル群が見えてくる。

オアフ島

ワイキキビーチの西の外れとアラモアナ公園の間に、広大な係留水面を有するハワイ州立のアラワイボートハーバーと、プライベートの名門のハワイヨットクラブとワイキキヨットクラブがある。

ホノルル

係留水面に入って行く水路は、狭くて、両側は暗礁、岩礁地帯になっているので絶対に航路ブイから外れてはならない。
うねりが大きい時は水路でも波頭が崩れることがあるそうなので注意を要する。

アラワイボートハーバー

上のチャートの青線のように回り込んで、アラワイボートハーバーのビジターバースである、X - Dock (クロスドック) に係留した。

夜間は陸上に設けられた誘導灯が点灯するが、航路ブイは入口の 2 個 (沖側の赤緑 1 組) しか点灯しないので、夜間の入港は避けた方が良い。


3) ハワイ ~ 清水

ハワイ~清水

ハワイを出た後は、絵に描いたように太平洋高気圧が張り出してきたので、出航 3 日目から 3 週間もの間安定した北東の貿易風を受けながら、真西へ向けて快適に走ることが出来た。

その後、東経 161. 5 度付近で進路を北寄りへ変えて日本を目指した。

日本近海は黒潮をどこで横切るかが問題だった。
黒潮に乗りながら横切ることを考えて、一時は四国沖を目指したが、黒潮は八丈島付近で大きく蛇行して北寄りに向きを変えているだろうと予想して八丈島を目指した。予想通り、八丈島に近づくと 8 ~ 9 ノットで快走して黒潮を横切ることが出来た。

このレグは、天候に恵まれて、毎日のように快晴が続き、風も北東の安定した貿易風を 3 週間近く連続して受け続けることが出来たので、日本を出て以来初めて航海を楽しむことが出来た。

日の出、日の入りの景色は、息を飲むほど美しく、グリーンフラッシュを 3 度も見ることが出来た。夜は毎日のように満点の星空を楽しんだ。

至福とも思える時間を何日間も過ごすことが出来て、ヨットをやっていて本当に良かったと思った。




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太平洋横断往復航海の準備と実際 (その6)

2016-10-26
2016年10月26日(水) 9時 記

太平洋横断往復航海の準備と実際 (その6)

  目 次

  1.ヨットの紹介 (2016年10月 5日のブログ参照)
  2.船体の準備 (2016年10月10日のブログ参照)
  3.電源設備  (2016年10月11日のブログ参照)
  4.航海計器  (          〃          )
  5.無線設備  (          〃          )
  6.法定備品  (          〃          )
  7.その他の準備 (2016年10月13日のブログ参照)
  8.装備の二重化 (         〃           )
  9.復原性の悪化 (2016年10月25日のブログ参照)
 10.荒天時の対策 (         〃           )

= 本日紹介分の目次 =

 11.免許、資格等の準備
 12.チャート
 13.気象情報の入手

============

 14.船内の生活
 15.食糧、清水、燃料、医薬品
 16.出航日、帰国予定時期の決定
 17.航海コース
 18.航海中のサポート等
 19.出港手続き、入港手続き
 20.サンフランシスコ、ハワイでのサポート
 21.航海中のトラブル
 22.航海の総括
 23.航海中の写真集


11. 免許、資格等の準備
1) 一級海上特殊無線技士免許取得
国際航海をするには一級海上特殊無線技士の資格が必要だが、それはどこにも書いてない。

① 航行区域の「遠洋」を取得するためには、電波を出す法定備品である双方向無線電話装置とEPIRBを積む必要がある。
② 電波を出す機器を積む場合は、無線局を開局する必要がある。
③ 無線局には、国際航海をする「船舶局」と、国際航海をしない「特定船舶局」の二種類があって、国際航海をするために「船舶局」を開局するには、一級海上特殊無線技士の資格が必要。

という三段論法。
これを知らずに、2014年に二級海上特殊無線技士免許を取得してしまったため、その時は国際航海できない「特定船舶局」しか開局出来なかった。
2015年に一級海上特殊無線技士免許を取り直して 「船舶局」 を開局したが、辛い二度手間だった。

2) 「船舶局」 開局 (無線局免許状取得)
2014年に、VHF、レーダー、双方向無線電話装置、EPIRB で 「特定船舶局」 を開局し、2015年に、AIS (送受信型) を加えて 「船舶局」 を開局した。

「特定船舶局」、「船舶局」 ともに開局には大変な労力を要した。
詳細は、2014年 4月10日と、2014年 12月 5日のブログ参照。

3) 航行区域「遠洋 (国際航海)」 取得
法定備品である、ライフラフト、遭難信号近海セット、無線設備、双方向無線電話装置、EPIRB を装備して取得した。
無線設備はアマチュア無線で代用した。

2014年に小型船舶検査機構 (JCI) に 「遠洋」 を申請した時は、前述の通り、国際航海できない 「特定船舶局」 しか開局してなかったので、『国際航海しない』 として申請せざるを得なかった。
船検証は 「遠洋」 になったが『国際航海』の文字は入らなかった。

JCI としては、「遠洋」 の船検証を発給するのに、国際航海をしようが、しまいがどうでも良いことだと思うが、無線局を管轄する総務省の関東総合通信局が、「特定船舶局」 の免許状を発給する前に、船検証に 『国際航海』 の文字が入ってないことを確認すると言い出したので、『国際航海』 の表記がない 「遠洋」 の船検証のコピーを提出した。

2015年に一級海上特殊無線技士の資格を取って、「船舶局」 を開局して初めて船検証に 『国際航海』 の文字が入った。

4) ヨットの「国籍証明書」入手
「国籍証明書」 はヨットで外国へ行く場合に必要な書類とのことで、運輸支局へ行って入手した。

5) 米国入国、滞在のためのビザ取得
米国に個人所有の船舶、航空機等で入国する場合はビザが必要。
インターネットで米国大使館のホームページにアクセスして、商用、観光目的の B1/B2 ビザを申請した後、米国大使館へ赴いて面接を受けて取得した。

ビザを持っていると半年間の滞在が許される。
2015年 7 月 13日にサンフランシスコに到着したので、ハワイ滞在中の2016年 1 月 12日で滞在期限が切れた。滞在期限が切れる前の 2015年 12 月下旬に滞在期間延長の申請をしたのだが、審査に思いのほか時間がかかり、延長が認められたのは出航直前の2016年 3 月下旬だった。

滞在期限が切れた 2016年 1月 13日以降は不法滞在になるが、滞在期間延長申請書を郵送すると受領書が送られてくるので、それを持っていれば不法滞在にはならないと言われた。

最も簡単な方法は、滞在期限が切れる前に、一時帰国等、一旦米国外に出てから戻れば、再び半年間の滞在が認められたと思う。


12. チャート
今回は米国しか行かなかったので、NOAA の電子チャート (米国西岸、ハワイ、グアム) を無料でダウンロードして、パソコン上にOpenCPN で表示した。
米国沿岸の電子チャートは、無料でも紙チャートと全く一緒なので安心して使うことが出来た。
太平洋上では、C-MAP 上に予定コースを引いて、その上を走らせた。

航海距離 (ログ) の計算は、OpenCPN の機能で航跡距離を計算することができると思うが、使い方が分からなかったので、チャート上の自艇の航跡上に、コース作成機能を使って出航地からのコースを Way Point を置きながらなぞって行って、そのコース距離を読んだ。

紙チャートは非常用として、米国西海岸の小縮尺図数枚と、サンフランシスコ湾の大小縮尺図、ハワイの大小縮尺図数枚を借用して積んだ。


13. 気象情報の入手
1) 天気図等
アマチュア無線機で気象ファクスを受信して、パソコンに KGFAX というソフトウエアーをインストールして表示した。
かなり鮮明な気象情報を入手することが出来たので非常に有効だった。

気象ファクスは、次の発信局のものを海域に応じて受信した。
周波数は SSB の下側波 (LSB) で、1. 9 kHz を減算済。

(1) 気象庁
周波数 : 3, 620. 6 kHz、7, 793. 1 kHz、13, 986. 6 kHz

清水から出航 4 日目の、2015年 5月 24日の気象庁の天気図
052409j.jpg


(2) 米国NOAA、ハワイ
周波数 : 9, 980. 6 kHz (05 : 19 ~ 15 : 56)、 11, 088. 1 kHz、
16, 133. 1 kHz (17 : 19 ~ 03 : 56)

(3) 米国 NOAA の Pt. Reyes (サンフランシスコの北)
周波数 : 4, 344. 1 kHz (01 : 40 ~ 16 : 08)、8, 680. 1 kHz、12, 784. 1 kHz、 17, 149. 3 kHz、
22, 525. 1 kHz (18 : 40 ~ 23 : 56)

サンフランシスコ出航翌日の、2015年 8月 15日の NOAA の天気図。
08151832.jpg


気象庁は 48 時間先の予想天気図しか発表しないが、NOAA は 96 時間先の予想まで発表してくれるので参考になったが、さすがに精度はそれほど良くなかった。

2) 風予報
PredicWind 社と契約して、風予測を Iridiumu GO を通して入手して、OpenCPN でチャート上に表示した。PredictWind 社のホームページ参照。
また、Iridium GO の Mail のアプリに 「Weather」 という気象予想機能があったので、参考程度に見ていた。

3)ハリケーン情報
NOAAの気象ファクスで、ハリケーンの卵であるTropical Depression やTropical Cyclone の発生を48時間前に知ることが出来たので、非常に有効だった。

サンフランシスコから出航後の2015年8月24日、25日、27日のNOAAのハリケーン情報。
08241308.jpg

08260108.jpg

08271920.jpg


ハリケーンが発生した後は、米軍のJoint Typhoon Warning Center (JTWC) の情報を入手して対処した。
この情報は、ヨットからはインターネットにアクセスできなかったので、直接入手することは出来なかったが、留守宅の家族に予想進路の緯度、経度をメールで送ってもらって、チャート上にプロットした。

39. IMG_2716


4) 気象情報に関する陸上のサポート
今回、気象情報に関して陸上のサポートを得ることは考えなかった。




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太平洋横断往復航海の準備と実際 (その5)

2016-10-25
2016年10月25日(火) 15時 記

太平洋横断往復航海の準備と実際 (その5)

  目 次

  1.ヨットの紹介 (2016年10月 5日のブログ参照)
  2.船体の準備 (2016年10月10日のブログ参照)
  3.電源設備  (2016年10月11日のブログ参照)
  4.航海計器  (          〃          )
  5.無線設備  (          〃          )
  6.法定備品  (          〃          )
  7.その他の準備 (2016年10月13日のブログ参照)
  8.装備の二重化 (         〃           )

= 本日紹介分の目次 =

  9.復原性の悪化
 10.荒天時の対策

============

 11.免許、資格等の準備
 12.チャート
 13.気象情報の入手
 14.船内の生活
 15.食糧、清水、燃料、医薬品
 16.出航日、帰国予定時期の決定
 17.航海コース
 18.航海中のサポート等
 19.出港手続き、入港手続き
 20.サンフランシスコ、ハワイでのサポート
 21.航海中のトラブル
 22.航海の総括
 23.航海中の写真集


9. 復原性の悪下
出航の数日前、全ての積込み品の収納が終わって一段落した時、ヨットの横揺れ具合が今までと異なることに気が付いた。
桟橋からヨットに乗り込む時、トウレールに足を乗せて体重をかけた時、今まではとは違ってヨットがふわっと自分の方に傾いてくるのを感じて驚いた。
ヨットに乗り込んだ時に、従来より傾斜角が大きくなっていて、横揺れ周期が今までよりはるかに長くなっていることを肌で感じた。
その時点で、復原力を定量的に把握する術はなかったが、定性的にはかなり、それも目に見えて復原性が悪くなっていることは明らかだった。
その時、計り知れない恐怖感を覚えた。無理は出来ないと思った。

今年の5月に帰国した後、船底塗装のためにヨットを上架した時、クレーンのオペレーターに重量を聞いたところ 5. 5 トンだった。自艇の設計重量は 2. 85 トンなので、昨年の出航時は、食糧、清水、燃料を満載していたので、排水量は優に 5. 8 トン、設計重量の 2 倍以上になっていたと思われる。
しかも、追加取付けした艤装品や積込み品は全てヨットのオリジナルの重心位置より高い所に取付け、収納されていたので、復原性の低下は目を覆わんばかりだったのであろう。

航海中一度も横転、ノックダウン、ロールオーバーしなかったことは、幸運だったとしか言いようがない。


10. 荒天時の対策
これまで荒天に遭遇したことが一度も無かったので、経験者に聞いたり、本を読んだり、インターネットで調べた。

荒天対策を検討する時に参考にさせて頂いたのは、面識は無いが、愛媛県松山市の池川ヨット工房の池川さんが書かれているホームページの、「海の広場」というコラムだった。
その 2002 年 3月 28日のコラムに、「荒天帆走」 に関する記述があり、参考にさせて頂いた。

荒天対策として、池川さんの教えを参考にして、元々持っていた 16 mm のクレモナ三つ撚りのアンカーロープ 170 m と、16 mm のクレモナエイトの係船ロープを取り混ぜて合計 300 m ほどに、軽自動車のタイヤ 2 本を新たに積んだ。

荒天時の心づもりとしては、2 ポイントリーフのメインセールだけでクオーターリーで走らせることを考えていた。
走らせることが危険になったら、あるいは体力の限界に近づいたら、2 ポイントリーフのメインセールだけで、逆ジブは使わずにヒーブツーすることを考えていた。

ヒーブツーが決まらずに、頻繁にノックダウンを繰り返すようなら、セールを全て下ろして、ロープとタイヤをシーアンカーにして、船首または船尾から流すつもりだったが、大揺れの船上でそのような作業が出来るかどうか、出来たとしてうまく作用するかどうかは全く分からなかった。

昨年の5月に出航するまでに、ロープとタイヤを流してテストをする機会は無く、嵐が来るのが分かっていて、テストのために出港する勇気はなかった。

今回遭遇した最大の荒天は、清水を出て 4 日目に、九州の南から北東へ向かってきた低気圧に捕まった時で、最大風速はガストで 21 m/s、波高は 4 ~ 5 m くらいで、一般的にはそれほど大した状況と言う訳では無いと思われるが、自分にとっては初めてのことでもあり非常に怖かった。

この時は、2 ポイントリーフのメインセールだけで逆ジブは使わずに、バウが風に対して 70 ~ 80°くらいに向くようウインドベーンをセットして、ヒーブツー状態にして凌いだ。

波に翻弄されて激しく揺れたので、船体のあちこちから悲鳴とも取れるような大きなきしみ音が連続して聞こえてきて、船が壊れるのではないかと思った。

結果としては、逆ジブを使わないヒーブツーは良く決まり、波さえ悪くなければ、2 ポイントリーフのメインセールとウインドベーンのヒーブツー状態で、あともう少し風速が上がっても凌げるのではないかとの感触を得た。

この時、ストームジブを加えるとオーバーキャンバスになり、走らせることは不可能だった。また、2 ポイントリーフのメインセールだけでクオーターリーで走らせることも考えなかった。
走らせるより、ヒーブツーがうまく決まればキャビン内に居た方が、安全で楽だった。

その時は 65 歳だったが、多分徹夜など一晩出来れば良い方だったと思う。体力の衰えは目を覆わんばかりだったので、安全で楽な対策を選んだ。

上記、自分が想定していた荒天対策は、せいぜい風速 50 ノットくらいまでで、それ以上の大時化には通用しなかったかも知れない。

また、この時の逆ジブを使わないヒーブツーは、たまたまうまく行ったかも知れず、違うヨットで、気象、海象条件が変われば、全く異なる結果になると思うので注意を要する。

荒天対策については、Jim Howard 氏の 「Handbook of Offshore Cruising」 の Chapter 27 「Heavy Weather at Sea」 に、ヒーブツー、ベアポール、風下航、パラシュート型シーアンカーとドローグなどについて詳しく解説されている。
この本は、昔 「KAZI」 誌に翻訳されて連載されていたと思う。和訳の本が出版されていたが、既に絶版で手に入らなかったので、英文の本を購入した。

外国では、パラシュート型シーアンカーが多数市販されているが、経験不足と勉強不足で、どうしても馴染めなかったので、採用に踏み切れなかった。

また、荒天対策で使うロープの材質は、ナイロンが伸び率が大きくてショックを吸収するので良いとされていた。太さとともに真剣に検討しなければならなかったのだが、出航当時持っていたアンカーロープと係船策で間に合わせた。

今回遭遇した荒天は、前述の清水を出て 4 日目の低気圧の時だけだったので、幸運だったとしか言いようがない。
究極の荒天対策は、気象情報をしっかり取って、荒天に遭遇しないことなのだと思う。





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太平洋横断往復航海の準備と実際 (その4)

2016-10-13
2016年10月13日(木) 23時 記

太平洋横断往復航海の準備と実際 (その4)

  目 次

  1.ヨットの紹介 (2016年10月 5日のブログ参照)
  2.船体の準備 (2016年10月10日のブログ参照)
  3.電源設備  (2016年10月11日のブログ参照)
  4.航海計器  (          〃          )
  5.無線設備  (          〃          )


= 本日紹介分の目次 =

  6.法定備品
  7.その他の準備
  8.装備の二重化

 ============

 9.復原性の悪化
 10.荒天時の対策
 11.免許、資格等の準備
 12.チャート
 13.気象情報の入手
 14.船内の生活
 15.食糧、清水、燃料、医薬品
 16.出航日、帰国予定時期の決定
 17.航海コース
 18.航海中のサポート等
 19.出港手続き、入港手続き
 20.サンフランシスコ、ハワイでのサポート
 21.航海中のトラブル
 22.航海の総括
 23.航海中の写真集


6. 法定備品
1) ライフラフト : RFD ジャパン製 TRY - 6N (6人用、収納袋入り)
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アールエフディー製(近海収納袋仕様)寸法図

12. IMG_3106

11. IMG_3105

藤倉ゴム工業製の FRC -5 ( 5 人用、コンテナ入) りの方が安価だったが、コンテナ入りはデッキ上に置き場所が無かった。
RFD ジャパン製の収納袋入りでもかなり大きくて重いので、よく置き場所が確保出来たと思う。

コクピット後部のウエットロッカー内に置くことが出来たが、重量が 40 kg 以上あるので、非常時に揺れる船上で、一人でライフラインの外へ落とすことなど出来ないと思う。ライフラフトを積み込む時はクレーンを使ったほどで、非常時は火事場の馬鹿力を期待するしかない。

JCI の予備検査に合格している小型船舶用は、国産しか無く、藤倉ゴム工業製の FRC - 5 と RFD ジャパン製の TRY - 6N しかない。
昔は 4 人用があったようだが、需要が少なかったからか製造中止になった模様。
外国製の 4 人用を使えれば、状況は大きく改善されると思うのだが。

2) 双方向無線電話装置 : 古野電気製 HT649
18. IMG_1975

双方向無線電話装置と言うのは、15、16、17 ch の 3 チャンネルだけ使用するポータブル VHF 無線機のこと。
かなり厳しい製造仕様になっているからか異常なほど高価だった。

3)EPIRB : 大洋無線製 TEB - 720
前項写真参照。

4)パーソナルEPIRB : GME - 410
法定備品では無いが、米国から直接購入して、米国の NOAA へ登録した。
コンパクトなので、非常持ち出し袋に入れておいた。
法定備品の大きなEPIRBを持ち出すことが出来なくても、これがあれば遭難情報は NOAA へ送られる。


7. その他の準備
1) 2014 年に、ヨットが建造後 16 年経っていたので次の整備を行った。
(1) リギンを1ランクサイズアップして新替え
フォアステー、バックステー、アッパーシュラウド : 6 mm --> 7 mm
ミドルシュラウド                     : 4 mm --> 5 mm
ロワーシュラド                      : 6 mm のまま
かなり高い位置で重量が増加するので、復原性への影響が気になったが実施した。

(2) メインハリヤード新替え
(3) ライフライン新替え

(4) 舵抜き出し点検、整備
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(5) エンジン (Yanmar 2GM - 20) 陸揚げ、開放点検、整備
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(6) 軸系抜き出し点検、整備、シャフトシール新替え、カットレスベアリング新替え

(7) 船底塗料の色を白に変更
クジラに衝突されるのを防ぐために白にした。
クジラは視力が弱いが、明るいものは認識できるという話を聞いたので白が良いと思った。

しかし、サンフランシスコへ向かう途中シャチに体当たりされた。
シャチはクジラを襲って食べてしまうほどどう猛らしい。

その時のシャチは、自艇の白い船底をクジラの白い腹と間違えて体当たりしてきたのかも知れない。
帰国後青に戻した。

2) ポータブル電動ビルジポンプ : Rule 製 Rule 1500 + プラスチックホース 6 m
Edson の手動ビルジポンプも考えたが、高価なので止めた。

3)雷対策
避雷針を立てて、落雷した時に対応するのではなく、自船付近の空中帯電を海中へ逃がす方法を取った。

無線のプロから教えてもらった方法で、船の周りに空中帯電する静電気を、デッキ上の金属に導いて海へ逃がす方法。
これにより、落雷の可能性が大幅に低くなると信じた。

2016 年 10月 11日 (火) のブログ、5. 無線設備、1) アマチュア無線、(3) アースの項の 「アース結線図」 参照。
船上の全ての金属はデッキ裏で電線でつないでおいたので、それをウインドベーンのウオーターベーンに接続して、空中帯電を海へ逃がす道を作った。ウインドベーンを使わない時は、別のアース棒を海中に下ろしておいた。
しかし、幸いなことに雷に遭わなかったので、効果のほどは定かでない。

4) 動揺時のキャビン内ハンドグリップ
ステンレスパイプ製の縦型ハンドグリップを左右舷に 1 本づつ、天井下の左右舷に前後方向のロープ式ハンドグリップを取付けた。

30. IMG_3104

31. IMG_3103

もともと天井の両舷には木製のハンドグリップがあったが、手を入れる隙間が狭いので、とっさの時につかみ損ねることが危惧されていた。
非常に有効で、これ無しには航海中の揺れるキャビン内での移動は困難だった。

5) 横倒しになった時の船内収納品散乱防止用ネット
キャビン内の各所に取付けるため、採寸して注文した。

6) 海水ポンプ取付け
海水が欲しい時に、バケツを海に投げ込んで汲むのはおっくうで、場合によっては危険なので、海水ポンプを取付けて、ギャレーシンクとコクピットの 2 ヶ所で海水を取れるようにした。

7) 冷蔵庫 : 澤藤電機製 ENGEL MT35F
容量 25 リッターで小さ過ぎた。あと一回り大きいものが欲しかったが、置き場所と消費電力を考えるとこれが精一杯だった。
食料品で、冷やさないと腐る物は積まなかった。冷やさなくても問題無くて、冷やした方がより美味しいというものを冷蔵庫に入れていた。
具体的には、飲料水、野菜ジュース、チョコレート、フルーツの缶詰等。

8 )電子レンジ : Wavebox WBP - TP660 (12 V で駆動)
4. 165

荒天時でも火を使うこと無く、レトルト食品を温めることが出来たので、非常に重宝した。
しかし、次のような設置上、使用上の注意点があった。

この電子レンジは、感覚的に家庭用 100 V の 300 ~ 400 W 程度の電子レンジと思う。
加熱時間は、食品に表示されている時間の1. 5 倍ほど必要。

ターンテーブルが無く、食品が均等に温まらないので、食品を加熱時間の半分の時間で左右反転させる必要あり。その時、加熱装置がクールダウンされるまで (冷却ファンが自動的に止まるまで) 待った方が良いと思う。
日本周航時に、連続して加熱させていたところ、電気部品が加熱されて発火して燃えてしまった。

庫内の底面積が小さく、ごく普通の丸皿は入らないので、長円形の皿を使った。

消費電力は、加熱時間がせいぜい 3 ~ 4 分なのでたいしたことはなかった。
電子レンジ使用時にエンジンを回す必要は全くなかった。

電線は、バッテリーから直に取る必要あり。
取り付け位置はバッテリーのすぐ近くが理想。
今回は、電線長が 4. 5 m ほどあったので、本体付属の電線と同じ太さでは細すぎたようで、使用中にかなり熱くなり、レンジとしての性能も出てないようだったので、断面積が 2 倍くらいある電線を使った。

9)三連装カセットガス供給器
3. DSC_1076

プロパンガスは、船検時の検査がうるさくなってきていたので止めて、三連装のカセットガスを使ったが、手軽で機能的にも十分だった。

10)プリンター : Canon PIXUS iP100
小型、軽量の A4 サイズまで印刷可能なプリンターを積んだ。
天気図、ハリケーン予想進路などをプリントアウトして検討するのに有効だった。

11) キャビン内湿気対策。
太平洋を横断した全ての人が、航海中濃霧に遭うと霧がキャビン内に入って来て、全ての物が結露でびしょびしょになったと言っていた。
航海計器等電気品、衣類、寝具、セッティーマットレス、書籍等、濡れては困る物は全て、大型の透明ビニールシートで覆ったり、ビニール袋に入れて保管した。

しかし、幸運なことにひどい濃霧に遭うことは無く、キャビン内が結露したことは一度もなかった。

12) 水中望遠鏡
日本周航時から持っていたが、プロペラにゴミが絡まったかな? と思った時に気軽に見ることが出来るので重宝した。

13) シェイクダウン航海
2014年の 4 月下旬から、自分自身の長距離航海のトレーニングと、新たに取り付けた装備品のシェイクダウンとヨット全体の不具合点を洗い出すために、清水から小笠原、南大東島、沖縄、函館を回って清水に戻るまでの 5 ヶ月間航海した。

2014年航跡図-日本全図

この航海の結果を基に、追加の改造、整備などを行い、翌年の出航に備えた。
この時の最も大きい改造は、ジャイブプリベンター取付け、キャビン内ロープ式ハンドグリップ取付け、ソーラーパネル 2 枚追加設置、AIS 装備、Iridium GO 装備、電子レンジ給電線サイズアップ、スプレッダーライトの ON/OFF スイッチ追加設置などで、太平洋横断航海中に重要な役割を果たしてくれた。


8. 装備の二重化
マストに登るためのステップは取付けなかった。
マストトップの装備品が壊れた時はあきらめることにした。
ジブハリヤードとメインハリヤードは 2 本づつあるので、ハリヤードのトラブルはこれで対処できると思った。

セールはかつて使っていたメインセールとジブセールを予備セールとして積んだ。

舵は、舵軸の太さと構造からして、相当ごつい漂流物と衝突しない限り脱落する可能性は低いと考えた。

航海、無線関係では、インバーターを 2 台、パソコンを2台、スマートフォンを 2 台積んだ。
GPS は合計すると 6 台あった。
その他の機器については二重化を考えなかった。

バッテリーは 4 台積んで、サービス用に3台、エンジン始動用に1台に分けていたので安心していたが、航海中の電力消費が大きかったので、バッテリースイッチを 『BOTH』 にして使っていたところ、ある朝 4 台ともへたっていて、エンジンを始動することが出来なくなってしまった。

悪いことに、サービスバッテリー 3 台用のソーラーパネル充電コントローラーもダウンしてしまい、サービスバッテリーへの充電が出来なくなった。
幸い、エンジン始動用バッテリー充電用コントローラーは生きていたので、エンジン始動用バッテリーを切り離して夕方までかけて充電して、エンジンを始動することが出来た。
結果として、充電コントローラーは二重化されていた。

上記想定はかなり安易であったと思うが、運が味方してくれて大きなトラブルは無かった。




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